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「日貨排斥」、中国で台湾PCシェア上昇も


ニュース 電子 作成日:2010年10月1日_記事番号:T00025646

「日貨排斥」、中国で台湾PCシェア上昇も

 
 10月に入り中国は国慶節(建国記念日)の大型連休(10月1日〜7日)を迎えた。例年消費が盛り上がるシーズンだが、今年は尖閣事件の余波で、新浪網(シナドットコム)や天極網など著名サイトで、ネットユーザーが東芝やソニーなど日系ブランドの製品を買わないよう呼び掛けている。1日付経済日報は宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)が中国ノートパソコン市場で日系のシェアを奪うチャンスと指摘した。
 
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 中国のあるネットユーザーが最近ネット上で始めた「日貨排斥」運動では、日本製品不買を呼び掛ける一方で、聯想集団(レノボ)、エイサー、ASUSなど中華系大手PCメーカーは既に世界の一流ブランドに成長したとして、「国産品」の愛用を呼び掛けた。

 中国では今年上半期、ヒューレット・パッカード(HP)が品質問題でインターネットを通じて抗議の輪が大きく広がった結果、第1四半期に15.6%(2位)だった市場シェアが第2四半期に8.2%(4位)へとほぼ半減した(IDC統計)。このため、アナリストは中国のネットユーザーの影響力を軽視すべきでないと警告している。 

 HPのシェア喪失の恩恵を最も受けたのはレノボで、第2四半期シェアは35.2%と前期比で5.4ポイント上昇した。ASUSはシェア11.5%で、前期比で0.8ポイント下落したものの中国市場で初めて2位になった。エイサーは7.4ポイントで前期比1ポイント上昇した。なお、日系では東芝が4.5%(7位)、ソニーが4.1%(8位)だった。 

 業界関係者は、尖閣事件が日系PCブランドのシェアに影響するかどうかについて、「観察が必要ではあるが、中国民族主義の高まりと最近の大幅な円高で、日系はかなり不利だ」とコメントした。

 中国は来年にも米国を抜いて世界最大のPC市場に躍り出る可能性があり、重要性は高い。日系としては非経済要素のリスクにも十分な注意が必要だ。

エイサー、ファウンダーブランド使用開始

 中国PC市場では1日、エイサーが提携契約に基づいて、方正科技(ファウンダー・テクノロジー・グループ)のPCブランド使用権(期間7年間)を得た。エイサーはこれにより、四半期当たり約90億台湾元(約241億円)の売上貢献を見込む。また、今年15億米ドルを見込む中国売上高を、ファウンダー効果により来年は25億米ドルに高めることを目標にする。

 エイサーは中国事業本部傘下にファウンダー事業部門を設け、藍燁・ファウンダー総裁が総経理を務める。ファウンダーのブランド、販売担当の人員約800人もエイサーのファウンダー事業部門に編入される。これによりエイサーの中国販売部門は1,000人規模に拡大する。

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