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台湾東部沖に火の玉落下、中国が発射したロケットの残骸か


ニュース 社会 作成日:2010年10月4日_記事番号:T00025647

台湾東部沖に火の玉落下、中国が発射したロケットの残骸か

 
 「あっ、あれは何だ?!」。1日午後7時20分ごろ、台湾東部の台東から宜蘭一帯で、多くの人が火の玉を目撃して大騒ぎになった。火の球は空中をゆっくりと落下し、台東県太麻里沖の海に墜落。航空機事故の残骸ではないかとも騒がれたその正体とは…?

 行政院海岸巡防署・沿岸警備隊員の目撃によると、火の球はバスケットボールぐらいの大きさで、西から東へと移動。「流れ星に比べて明るかったが、スピードは遅かった」という。

 目撃者からの通報が相次いで寄せられた台東県消防局は、太麻里郷をはじめ周辺地域の消防隊員を総動員して調査したが、異状は発見されず。航空機事故の可能性も指摘されたが、火の球は台東から宜蘭一帯の広い範囲で目撃されていることから、大気圏外の飛行物体と推測された。

 それならこの火の玉は一体何なのか──。折しも火の球が出現する直前の同日午後6時59分、中国四川省の西昌衛星発射センターは、月探査機「嫦娥2号」の打ち上げに成功しており、台湾で目撃された火の球はこのロケットの残骸だった可能性が高まっている。

 中国新華社の発表によると、嫦娥2号を乗せた3段式ロケット、「長征3号丙(CZ=3C)」は、発射された後、午後7時2分に1段目のロケットブースターが分離、7時4分にフェアリングが脱落、さらに7時5分に2段目のブースターが分離した。

 1段目ブースターの残骸は貴州省金沙県に、フェアリングは江西省吉安市遂川県に、それぞれ落下したことが確認されている。2段目ブースターの落下地点は公表されていないが、事前に台湾東部沖500キロメートルの海上に7時15分に墜落すると予測されており、目撃された火の球と、場所も時間もほぼ一致する。これで正体が確定したとみられる人騒がせな火の玉だが、計画通り海に落下したからよかったものの、「もし台湾に落ちていたら」と思うと恐ろしい。