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尖閣事件の行政院長答弁、「一つの中国」懸念で批判


ニュース 政治 作成日:2010年10月6日_記事番号:T00025710

尖閣事件の行政院長答弁、「一つの中国」懸念で批判

 
 呉敦義行政院長は5日立法院で、尖閣諸島(台湾名・釣魚台)に対する台湾の主権表明を行わないのかとの民進党立法委員の質問に対し、「中国大陸のあらゆる解釈と行動を、釣魚台がわれわれ中華民国の領土だということに賛同していると受け取れる」と答弁した。これに対し民進党陣営は「中国に主権表明を肩代わりさせるに等しく、『一つの中国』の枠組みに進んで入るもので不適切」と非難した。呉行政院長の発言は、尖閣領有権を主張しておきながら、日中が衝突した一連の事件において強い表明を抑制した台湾の立場を、さらに分かりにくいものにさせたと指摘されている。6日付蘋果日報が報じた。

 この問題で総統府は同日、尖閣海域での争議は日本と中国、日本と台湾の間で起きており、台湾と中国の間では発生していないとした上で、「両岸(中台)は今回も各自に日本と交渉を行っており、連携してはいない」と説明した。 

 陳水扁政権で駐米代表を務めた呉釗燮氏は「馬英九政権の尖閣をめぐる立場に沿えば、チベットも新彊ウイグル自治区も中華民国の領土となり、台湾はこの問題で中国の側に立つしか選択肢がなくなる。台湾単独で主権を主張できなくなる」と問題点を指摘した。