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富士通ノート委託拡大、台湾メーカーに恩恵


ニュース 電子 作成日:2010年10月6日_記事番号:T00025733

富士通ノート委託拡大、台湾メーカーに恩恵

 
 台湾富士通は5日、ノートパソコン「LIFEBOOK(ライフブック)」の新製品4機種を発表した。同社経銷事業処の陳俊雄処長は同日、今後ノートPC生産の外部委託率を5割まで引き上げるとの方針を明らかにした。従来の広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、英業達(インベンテック)に加え、緯創資通(ウィストロン)も新たに受注を獲得するとみられる。6日付工商時報などが報じた。
 
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葉瀚升・富士通個人電脳亜太区産品経理(左2)は、「品質・機能の革新、新たなデザイン・カラーの導入、性能に比べ低価格で提供することで消費者の最高の満足を目指す」と語った(台湾富士通提供)

 日本の大手ノートPCブランドは近年、生産の外部委託を拡大しており、工商時報によるとソニー、東芝の委託比率はほぼ8割に上る。一方、陳処長によると富士通は、純日本製品の需要が依然存在すること、また日本の工場を閉鎖すれば日本社会に大きな影響を及ぼす恐れがあることなどを考慮し、外部への委託拡大を抑えてきたという。なお富士通は今後、自社生産と委託生産を半々とするが、2012年までは外部委託比率をそれ以上拡大しない方針だ。

 富士通のノートPCは、クアンタが8割を受注しており、今回発表された新製品、▽PH520(11.6型) ▽P770A(12.1型)▽SH530(13.3型)▽AH530(15.6型)──も、小売価格6万6,800台湾元(約18万円)のハイエンド・ビジネスモデル「P770A」を除く製品の生産を同社が担当する。

 ウィストロンへの発注は今年年末から行われる見通しだ。ただ、同社は観測について「特定顧客についてはコメントできない」としている。

 富士通は日本での製造機種を中心に据えてきたため高価格となり、激しい価格競争の中、世界シェアを圧迫されてきた。しかし陳処長によると、ミドル・ローエンド製品や低価格ノートPC(ネットブック)を積極展開したことで出荷量を伸ばしている。

 同社の世界市場におけるノートPC出荷台数は今年上半期200万台以上に上り、通年でも500万台の目標を達成できるという。さらに来年は750万台、再来年は1,000万台へと拡大させたい考えで、ミドル・ローエンド製品の出荷が伸びれば、台湾メーカーへの委託も増えるとみられる。
 
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サーバーはインベンテックに委託か

 富士通はサーバーブランドとしても世界4位だ。傘下ドイツ工場で生産しているサーバーを台湾メーカーに委託することを検討しているとされ、陳処長は「依然交渉中だ」と語った。

 観測によると、インベンテックとウィストロンが接触しているとされるが、インベンテックは富士通のサーバーに部品を供給しており、両社とも産官共同によるクラウド・コンピューティングの推進団体、台湾雲端運算産業聯盟(台湾クラウド・コンピューティング・コンソーシアム)に参加していることなどから、業界では受注の可能性が高いとみられている。

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