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進む配水管の老朽化、水漏れが年にダム3.6個分 


ニュース 社会 作成日:2010年10月7日_記事番号:T00025734

進む配水管の老朽化、水漏れが年にダム3.6個分 

 
 台湾全土に総延長5万5,000キロメートルにわたって張り巡らされているのが、水道公社、台湾自来水公司(台水)の配水管。いま、老朽化した配水管からの水漏れ問題がクローズアップされている。

 経済部水利署の資料によると、2009年における配水管からの漏水は、貯水量2億立方メートルの石門ダム(桃園県)3.6個分に相当する7億2,000万立方メートル。水道料金にして数十億元に相当するというからもったいない話だ。

 全土(高雄市を除く)平均漏水率は22%に達している。これは日本(7.1%)や米国(14.5%)を上回るばかりか、世界平均(18%)にも劣る数値だ。

 漏水率が最も高かったエリアは、丘陵地が多く、給水に加圧が必要な基隆市と台北県北部(第1区管理処)で34.76%。これに台中県、南投県、台中市(第4区管理処)の30%が続いた。これらの地域では3分の1以上が無駄に漏れている計算だ。

 目下、全土で耐用年数を過ぎた配水管が全体の3分の1を占めており、さらに水道普及のために使用された、低コストだが劣化しやすいポリ塩化ビニル製配水管は全体の約63%を占める。これらをすべて交換するには、約1万6,500キロメートルの新配水管と1,035億元もの工事費が必要。このため09年の配水管交換率はわずか15.4%にとどまっている。

 台水は経費不足で、配水管の交換速度が老朽化の速度に追い付かないと嘆きつつも、まずは約4,000キロメートル分を交換し、12年には漏水率を世界平均値にまで近づけたいとしている。

 台湾大学環境工学学科の駱尚廉教授は、定期的に老朽化した排水管を交換するだけでなく、水道使用料が最も少なくなる夜間に使用料が不自然に多いエリアを探すなど、漏水発見にも注力することを提案している。

 ちなみに東京都の漏水率は何と3.3%(07年)。台湾の状況を知ったあとでは驚異的な数字に映る。