統一阪急百貨店台北店が７日オープンを迎え、大勢の買い物客でにぎわった。台湾初進出となる地下１階のユニクロには、開店前に2,500人が列をつくり、大混雑の中での買い物となった。「美人百貨」を標榜する同デパートは、個々のテナントの魅力と都市交通システム（ＭＲＴ）市政府駅と連結するアクセスの利便性を武器に、若い女性客を中心とした消費者の取り込みを狙う。
　
ユニクロ店内は若者を中心に大混雑した（７日＝ＹＳＮ） 　
　
　ユニクロを運営するファーストリテイリングによると、オープンに2,500人が列を作ったのは日本国内、海外の店舗を含めて過去最高。このため最大600人の入店制限を行って対応した。同社は消費者の好反応について、台湾は１号店の開店に時間がかかったため、期待値が高かったのではないかと説明した。

　ユニクロの店舗は440坪、日本とほぼ同様の店づくりで、メンズ、レディースのカジュアルウエアを陳列している。ユニクロファッションの魅力を一目で伝えるべく、店内に大型ショーウインドウを配置したことが国内店とは異なる特徴だ。

　ユニクロはオープン特別セールとして特定商品３種類の割引販売を行い、カシミアのセーターは女性用18色を1,490台湾元（約4,000円、通常価格2,990元）で、男性用16色を1,990元（同3,990元）で提供する。また、1,500元以上の買い物をした最初の３万人の消費者にユニクロのロゴ入りの特製手提げバックをプレゼントする。

　ユニクロの商品価格は、関税や輸送費などのため、一部で日本よりもやや高めとなっているが、同社ではセールなどを通じてできる限り価格を引き下げたいとしている。６日に同店を訪れた柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は、台湾では100店以上の店舗網構築が可能との考えを示しており、１号店での消費者の反応を今後の展開の参考にする方針だ。
　　　
買い物かご３個分を買った女子大生も。「ユニクロは質がいいから」（７日＝ＹＳＮ）

仕事帰りの女性を魅了
　
　統一阪急台北店は地下２階から地上７階まで売り場面積8,000坪。ＭＲＴ市政府駅、および中長距離バスターミナルと連絡する立地条件を生かして、仕事が終わった後の女性客がショッピングを楽しめる空間を目指した。１階に化粧品カウンターを集めたのは他店と同様だが、２階はアクセサリー、ハンドバック、靴の服飾雑貨をまとめた、台湾の百貨店業界で唯一のフロアとした。

　アクセサリーは「agete」「Vendome Aoyama」「canal 4℃」の日本の百貨店売り場の３大ブランドをそろえ、正面入り口から入ったスペースにトレンド感のある商品を配置した。

　また、３階の日系トータルビューティーサロン、アトリエはるかでは、アフターファイブを楽しむ女性に利用してもらおうと、10〜20分の短時間でメイクアレンジを行うサービス（500〜800元）を提供する。通常はメイクアップアーティスト４人の体制だが、開店当初は日本から応援の人員も呼んで対応する。

階層ごとに個性持たせる

　統一阪急台北店は300以上のテナントのうち31店が台湾初進出で、ファッションブランドの「サマンサタバサ」や「フランシュリッペ」、宇治茶の老舗「つじり茶屋」、ファミリーレストラン「和食さと」など各業界の著名ブランドが入居する。
　
サマンサタバサのオープニングには、モデルの蛯原友里さんも来台してアピールした（７日＝ＹＳＮ）
　
　また、女性用服飾品の３階は「ファッション雑誌の編集オフィス」、男性用服飾品の５階は「成熟した男性の書斎・クローゼット」など各階ごとに異なったテーマを設定、フロアデザインに変化を持たせている。吹き抜けを広く取り、テナント間に仕切りを設けないなど、開放感にあふれたスペースも特徴だ。

　同店はオープンと同時に周年慶（創業祭）セールに入った。今月27日までの期間中、5,000元の消費で商品券500元が、化粧品は2,000元の消費で商品券200元がプレゼントされる。さらに、各階の売り場で特定商品の割引販売が行われる。７日は１日で１億元の売り上げが目標だ。
　
統一阪急台北店。上階には今年12月、高級ホテル「Ｗ台北」がオープンする（７日＝ＹＳＮ）