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エルピーダ、台湾DRAM企業と資本提携へ


ニュース 電子 作成日:2010年10月8日_記事番号:T00025792

エルピーダ、台湾DRAM企業と資本提携へ

 
 DRAM世界3位、エルピーダメモリの坂本幸雄社長は、4日行われたブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、台湾のDRAMメーカーへの2〜3割出資、または相互出資を検討していると明らかにした。これに向け、来年初めに台湾で預託証券(TDR)を発行する計画だ。頓挫した台湾創新記憶体(TIMC)を通じた台湾DRAM業界再編計画に代わり、持ち株会社の設立によって提携企業を一つにまとめ、サムスン電子に対抗する構想だ。8日付工商時報などが報じた。
  
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 エルピーダの出資先は、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)との呼び声が高い。プロモスは7日、年末に予定している増資で、既存の提携先であるエルピーダの引き受けを歓迎すると表明した。ただ、現時点で交渉はしていないという。力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)の譚仲民副総経理は、同社とエルピーダは瑞晶電子(レックスチップ・エレクトロニクス)に共同出資しており、かつては資本提携を行ったこともあると指摘し、エルピーダが希望すれば出資を歓迎すると語った。一方、南亜科技の白培霖副総経理は、米マイクロン・テクノロジーと関係が深いため、エルピーダとの提携は困難だと語った。

 今年第4四半期は多くの台湾DRAMメーカーが増資を予定している。プロモスは第三者割当増資で5,000万米ドルか20億台湾元(約53億円)、パワーチップはグローバル預託証券(GDR)6億5,000万〜8億株発行、南亜科技は6億株の現金増資だ。通常、大規模な業界再編は景気低迷時に行われる。買収コストが抑えられるためだ。

R&Dセンター、中科に設立へ

 施顔祥・経済部長は7日の立法院答弁で、エルピーダによる台湾メーカーへの出資については情報を得ていないが、エルピーダが台湾で研究開発(R&D)センターを設立すると聞いたと明らかにした。

 R&Dセンター設立は、製造プロセス40ナノメートルのDRAMをレックスチップと共同開発することが目的で、3年の総投資額30億元のうち10億元が充てられる。経済部の審査が通れば、パワーチップなどが進出する中部科学工業園区(中科)后里園区に決まる見通しだ。エルピーダにとって、台湾で初のR&Dセンターとなる。これにより、台湾でDRAMの独自技術が構築されると期待されている。

日台連合で来年シェア2位も

 業界関係者によると、エルピーダは社内で3年計画を制定しており、その内容は2010年にレックスチップを全面支援、11年にプロモスとの提携を強化、12年に台湾メーカーと共に中国・江蘇省蘇州市に12インチウエハー工場を設置し、日台中連携で韓国サムスンの市場シェア拡大を抑えるというものだ。

 集邦科技(トレンドフォース)傘下の調査機関、DRAMエクスチェンジの今年第2四半期の統計によると、DRAM世界シェア首位はサムスンで33.9%、2位はハイニックス半導体の21.4%、3位がエルピーダで18.3%だ。ただ来年には、サムスンが新たな生産ライン(Line16)で量産に入りシェアを40〜50%まで拡大、一方エルピーダはパワーチップ、プロモスなどと手を組み、来年第2四半期にシェア26.5%で2位に浮上すると予想されている。

【表】