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作成日:2010年10月11日_記事番号:T00025793
免許データ誤入力の悲劇、25年も幽霊ドライバーだった男
台北県永和市在住の男性、羅皓凌さん(43)は怒っていた。羅さんは1985年6月、18歳の時に間違いなくバイク免許を取得したものの、この25年間に計25枚もの「無免許運転」の交通違反キップを受け取っていたからだ。
実は、羅さんの悲劇は監督機関の単純ミスが原因。羅さんの免許証番号の最初の文字はローマ字の「U」。ところが、コンピューターには「V」と誤入力されたため、羅さんは幽霊ドライバーとなってしまったのだ。
交通取り締まりの際、警察官が携帯型コンピューターで羅さんの免許証データを検索しても、出てこないのは当然。そこで「無免許運転」として罰金6,000台湾元が科されることになる。羅さんが「オレにはちゃんと免許証がある」と何度説明しても無駄だった。
思い余った羅さんは2003年、台北県板橋監理站に免許資料の訂正を申し立てた。ところが、担当者は、「その前に罰金の支払いを済ませてくれ」と言うではないか。
羅さんは「ミスをしたのはそっちだろ?!」と、筋違いな要求に怒り爆発。大声で抗議したところ、責任者が出てきて羅さんの資料を訂正して新たな免許証を発行。これまでの罰金も取り消すことに同意した。
ところが、羅さんの悪夢はこれで終わらなかった。新しい免許証を手にした後も相変わらず無免許運転の違反切符を受け取るはめに。何と板橋監理站は、新たな免許証を発行したにもかかわらず、コンピューターの資料を訂正せず、そのまま放置していたのだ。
堪忍袋の緒が切れた羅さんは、県議会議員に陳情。これを受けて運転免許保有者のデータを管理する台北区監理所がコンピューターシステムを調べたところ、確かに誤入力が放置されていることが確認された。監理所は必ず訂正し、罰金請求はすべて取り消すと約束した。
それにしても、議員が出て来なければ解決しないというのにはあきれるばかり。当初、警察や監理站担当者が羅さんの訴えを真剣に聞いてきちんと対応していれば、羅さんとて25年間も怒り続けることもなかったのだが。