馬英九総統は10日、辛亥革命記念日(双十節)の式典で演説し、中国の温家宝首相が先月、台湾を向けて配備しているミサイルの撤去に前向きな姿勢を示したことについて、「両岸(中台)関係にとってプラスであり、早期に実現すべきだ」と述べた。11日付聯合報が伝えた。
馬総統は演説で台湾人の人権向上のための委員会設置案も提起したが、野党陣営からは「劉暁波氏のノーベル賞受賞への反応が遅かったことへの批判をかわすため」と非難された(10日=中央社)
馬総統はまた、「独立した主権を持つ中華民国は、憲法の枠組みの下で、『1992年の共通認識』(「一つの中国、それぞれの解釈」)に基づき、大陸(中国)との関係を切り開いていく。現時点で法理的な相互承認はあり得ないが、現実に基づく精神で、互いを否定しないことは可能だ」と訴えた。
馬総統は一方で、「台湾の安全は両岸関係の改善にだけ頼ることはできない」と述べ、海外からの自衛用兵器の購入は「必要かつ変わりない政策だ」と強調した。
台湾の内政に関しては、来年の中華民国建国100年に向けて改革を推進する考えを強調した。馬総統は中央政府の部会(省庁)を37機関から29機関にスリム化することや、県市合併によって5直轄市を誕生させて北部、中部、南部の均衡ある発展を図る方針を挙げて、「改革は既得権益に触れて選挙で票を失うという人もいるが、台湾は時間との競争を迫られている。選挙のために改革を先延ばしすることはできない」と訴えた。