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隠れ家的レストラン、密かなブーム呼ぶ


ニュース 社会 作成日:2010年10月12日_記事番号:T00025823

隠れ家的レストラン、密かなブーム呼ぶ

 
 住宅街の中でひっそりと営業する隠れ家的なレストラン、私房菜餐庁(プライベートキッチン)がブームになっている。その大半は小さなこぢんまりとした店で、予約制だ。看板やメニューがない、営業日が決まっていないなどユニークな点が多いが、口コミで人気が広まっている。

 台湾の私房菜餐庁は2種類に分けられる。一つは、見かけは家庭料理や麺(めん)類など簡単な食事を提供するごく普通のレストラン。特に内装が豪華ということもなく、住宅街の分かりにくい場所にあることが多い。美食家のオーナーが、趣味が高じて自らメニューを考案し、創作料理をお客に振る舞うようになったケースだ。自宅を開放している場合もあり、紹介がなければ入ることはできないのがポイント。台北の「鼎珍坊」「功虎麺店」「満福楼」などがこれに当たる。

 もう一つは、純粋なレストラン。住宅街でひっそりと経営している点は同じだが、店内の内装は一流、メニューも独自のものが多い。10年以上前にオープンした台北市金山南路の江浙料理レストラン「鴻一小館」はその発祥ともいえる存在だ。

 私房菜餐庁はユニークな点が多い。例えば、「陽春商号」には看板はなく、店の入り口をふさぐように車が停車されていたら、それが営業中の合図。電話でオーナーの許可を得なければ入れない「OA+」のような店もある。「私の家なんだから、お客が誰なのか知る必要がある」とはオーナーの弁だ。海外からの予約客も多い有名店「欧家宴」では、悪酔いして店内で吐いた客は次回からお断り、とオーナーが客を選ぶ。 

 こうしたレストランがそれでも人気なのは、友人宅を訪れているような親近感があり、家庭的で、商業的な雰囲気がないことらしい。料理がおいしいことは言うまでもないが、お客にとっては「高級なあわびが出たかと思えば、懐かしい庶民の味、豚油飯が出たりする」など、思わぬサプライズがあることも楽しみのようだ。お客とのおしゃべりで意気投合したオーナーが、特別にとっておきの料理やお茶を振る舞ってくれることも。

 自分だけ特別扱いされている感覚や、よそでは味わえない料理を堪能できることも、私房菜餐庁が一度ハマったらやめられない理由かもしれない。