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作成日:2010年10月13日_記事番号:T00025854
新生高架路不正事件、市長周辺に拡大か
台北市の新生高架路補修工事をめぐる不正事件で逮捕された市工務局新建工程処(新工処)の黄錫薫・元処長が台北地検の取り調べに対し、問題となった入札の処理は郝龍斌市長をはじめとする市政府幹部の指示を受けたものだとの趣旨の供述を行っていることが12日までに分かった。13日付自由時報が伝えた。
黄元処長は取り調べに対し、郝市長ら市政府幹部が2008年3月の市政会議などで、「次の入札で必ず落札させなければならない」「入札案は合理的な予算に調整しろ」「行政手続きをスピードアップしろ」などという指示を下したとし、自分は上司や議員らと要求に従って処理しただけで、汚職には当たらないと主張しているという。
黄元処長の供述について、市政府の趙心屏報道官は「市長の指示は十大プロジェクトをスケジュール通りに質的にも問題なく完成させるという意味で、それが部下の違法行為につながるとすれば話にならない。司法が速やかに捜査を行い、真相を解明することを望んでいる」とコメントした。郝市長自身も13日、「わたしがそんな細かいことまで指示する訳がない」と語り、報道を否定した。
しかし、黄元処長が「市長の指示」に言及したことで、市長周辺への疑惑の目が強まるのは必至で、検察が市幹部に捜査を拡大するか否かを問わず、11月下旬の台北市長選の情勢に重大な影響を与える見通しだ。