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作成日:2010年10月14日_記事番号:T00025881
感動の母子同時当選が一転、買収発覚で2人とも無効

昨年末に行われた地方選挙で、彰化県議会議員に立候補した息子と、同県花壇郷長に立候補したその母が同時に当選するという快挙を達成し、指でOKマークを作る母親とガッツポーズを決める息子が並んだ微笑ましい写真が報じられた。
しかしその後、票の買収を行っていたことが発覚し、このほど裁判所によって2人同時に当選の無効が下され、台湾地方自治史上初となる「母子同時当選、同時無効」の不名誉な記録を残すことになった。
ただ、2人とも「言い掛かりで、誤解だ」と買収を否定、控訴する予定だ。
12年にわたり彰化県議を務めてきた母親の施華芬被告は、同選挙で花壇郷長へくら替えし、県議ポストを息子の黄健彰被告に引き継ぎたいと考えた。
一方、母親のライバルとして花壇郷長に立候補した顧金土氏も、その妻で県議再選を目指す顧黄水花氏とともに「夫婦同時当選」を目指し、花壇郷では彰化県で最も激しい選挙戦が繰り広げられていた。
選挙の結果は施母子に軍配が上がったが、その後、検察の捜査により同陣営の選挙対策本部の幹部が票を金で買収していた疑いが強まり、2人は起訴された。
裁判で有権者16人が1人当たり500台湾元を受け取ったことを証言し、その結果、母親に懲役4年6月、息子は無罪の判決が下った(検察は控訴)。2人は同時に検察から当選無効訴訟も起こされており、こちらは訴えが認められ、2人とも無効が言い渡された。
当選時は母と子が力を合わせて悲願を達成した感動的な話として語られたものの、これにでは興ざめだ。ちなみに彰化県議選では、6人もの当選者に買収疑惑が持ち上がり、既に5人に無効判決が下っている。