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鴻海が初の太陽電池投資、山西省で大手と提携


ニュース 電子 作成日:2010年10月14日_記事番号:T00025909

鴻海が初の太陽電池投資、山西省で大手と提携

 
 14日付経済日報が中国・人民網山西省版の報道として伝えたところによると、鴻海科技集団(フォックスコン)が中国3位の太陽電池メーカー、英利集団との提携で、山西省大同市で太陽電池用多結晶シリコンの生産に取り組むことを決めた。多結晶シリコン太陽電池の生産も計画しており、事実であれば鴻海の太陽電池分野での初の大型投資となる。業界では、低コストを強みとする同グループの参入に、脅威との見方が早くも出ている。
 
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 鴻海と英利は、石炭を主力事業とする同省の大同煤砿集団とともに、大同で多結晶シリコン年産2万7,000トン、多結晶シリコン太陽電池年産1ギガワット(GW)を実現するプロジェクトに携わり、第1期として年間6,000トンの多結晶シリコン生産に266億人民元(約3,250億円)を投資する。太陽電池工場は第一期の投資額2億米ドルで、年産量200メガワット(MW)の計画だ。既に大同市政府との間で工場の建設地や交通条件、市側が建設に協力する項目などで初期段階の合意を見たという。

 提携パートナーの英利集団はニューヨーク株式市場に上場しており、今年第2四半期の売上高は26億9,900万人民元。純利益は前期比14.09%増の2億1,700万元で、粗利益率は過去最高の33.5%に上った。 鴻海は13日、報道についてはコメントを行わず、「あらゆる中国投資は董事会と経済部投資審議委員会(投審会)の関連法定プロセスを経る必要がある。確定した場合は公表する」とのみ説明した。

ノートPCは利益率低下を促進

 鴻海は郭台銘董事長が今年2月、苗栗県卓蘭鎮に太陽電池・モジュール工場を設置する意向を示したが、その後具体的な動きがなかったため、業界では太陽電池進出は現時点では目標にすぎないと受け止められていた。

 鴻海はコスト競争力による低価格受注を武器にしており、ノートパソコンの受託生産業務への進出によって同業界の粗利益率を引き下げた「実績」がある。このため業界の一部からは、鴻海の参入によって既存業者は粗利益率が低下し、競争力の弱い業者が淘汰(とうた)されると懸念が示されている。

【表】