台塑集団(台湾プラスチックグループ)の王文淵総裁は14日、傘下のプラントなどで7月以降の3カ月間に3度発生した連続火災について、1度目の火災原因は人為的なミスだったことが確認できたと明らかにした。2、3度目の火災に人為ミスの可能性はないとみられるが、王総裁は「各界の批判を真摯(しんし)に受け止め、同様の問題が二度と起こらないよう、迅速に改善を行う」と表明した。15日には大手メディア各紙に大々的な謝罪広告も掲載した。15日付中国時報などが報じた。
南亜プラPEPA工場の火災発生に対し、PEPAが燃えると水では消火できないとの疑惑が出ていたが、王総裁は実演でこれを否定した(14日=中央社)
王総裁は、7月7日に発生した第6ナフサ分解プラント(六軽、雲林県麦寮)台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)第1オレフィンプラント(OL1)の火災は、メンテナンス時に、社内規定通りの管理体制変更が確実に実施されなかったためと説明した。一方、7月25日に発生した同じく第6ナフサ内第2製油工場の火災は設備の設計不良、10月3日の南亜塑膠工業(南亜プラスチックス)の合成紙「PEPA(珠光紙)」工場(嘉義県)の火災は輸送パイプの接続部に亀裂ができたことが原因とみられ、人為的要因で起きた可能性は現時点で排除できたという。
後継者候補が決定?
また王総裁は、▽南亜プラ、呉嘉昭総経理▽台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー)、洪福源総経理▽台塑石化、蘇啓邑総経理▽台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)、林健男副総経理──を名指しし「いい仕事をしている」と評価した。市場では、経営陣の高齢化を懸念する王総裁が、主要4社を率いる董事長などに据える後継者候補を示唆した発言とみられている。王一族の名前は全く出されなかった。なお、10月15日は、2年前に死去した台プラグループ創業者の故・王永慶氏の命日に当たる。