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作成日:2010年10月18日_記事番号:T00025939
「夫」は女性だった!結婚10年目の染色体検査で判明
台湾南部に住むある仲の良い夫婦の話。結婚して10年にもなるが、まだ子宝に恵まれない。もともと子どもを持つつもりはなかった二人だったが、跡継ぎを期待する親からのプレッシャーが高まり、不妊治療を始めることにしたのは昨年のことだった。
まず南部の病院で検査したところ、夫が無精子症と診断され、人工授精のため副睾丸から精子を取り出す手術を受けることになった。ところが、夫の副睾丸はピーナツほどの大きさしかなく、詳しい血液検査を受けることになった。
検査の結果、驚くべき事実が判明した。夫の性染色体は男性の「XY」という組み合わせではなく、女性の「XX」だったからだ。夫は外見は男性だが、中身は女性だったということになる。
医師から診断結果を聞かされた夫婦は、「まさか」と絶句。特に妻は「夫にはセックスの能力もある、女性のはずがない!」と信じられなかった。確かに、夫には子宮や卵巣はなく、ちゃんと男性器があり、セックスの際には勃起も射精もしていたからだ。
実は2万5,000人に1人というこの疾患、未発達ながら男性器や睾丸を備え、勃起や射精は可能。しかし、その精液の中に精子はないため、当然子どもはできない。
夫は色白で体毛が薄く、男性にしては大きな乳房を持ち、声も一般男性のような低い声ではなかった。とはいえ、自分が男であることを疑ったことがなかった夫にとって、あまりにもショックな事実だったことは間違いない。
その日、夫婦は一言も言葉を交わさず、眠れぬ夜を過ごしたという。翌朝夫は妻に告げた。「これからどうするかは君が決めて。僕はそれを受け入れる」と。しかし、一晩開けて妻は冷静になっていた。「彼は私よりもっとつらいはず」と夫を気遣い、事実を受け入れる心境になっていたのだ。妻の答えは「私たち、このまま夫婦でいましょう」。
夫は優しい性格で、ユーモアがあり、家庭を大切にする人で、この10年間、義父母とっても非常に親孝行な「できた婿」だった。もし夫と離婚しても、この人以上に理想的な相手が見つかるとは思えない━━。
結局、夫婦は養子を迎えることになり、妻は仕事を辞めて子どもの世話に専念している。夫は子どもにとってより男らしい父親になるため、定期的に男性ホルモンを接種しているそうだ。