直轄市長選挙(11月27日投開票)を控え、選挙戦が激しさを増す中、高雄市長選に国民党から出馬した黄昭順氏は今月13日、民進党から出馬した現職の陳菊市長について、9月下旬に台湾南部で台風11号(アジア名・ファナピ)上陸による洪水被害が発生した際、市長としての職務怠慢があったとして、高雄地検に告発した。これを受け、高雄地検は14日、捜査に着手。陳市長側は選挙情勢に司法が不当介入するものだとして強く反発している。16日付自由時報が伝えた。
高雄地検に陳菊市長を告発する黄昭順氏(13日=中央社)
陳市長は台風上陸時に災害救援を指揮中、自宅で20分間ほど休息のために「眠った」と市議会で発言したことなどが批判の的となった。高雄市長選の情勢は陳市長有利で推移しており、黄昭順氏サイドはネガティブ・キャンペーンで情勢逆転を狙う戦略とみられる。
陳市長は「台湾社会は検察が政争の道具になることを許さない」と強く反発。立法院の民進党立法委員団は、「高雄地検は刑事訴訟法に違反し、特定候補に協力して捜査を行ったものだ」と批判した。
また、民進党の黄昭星高雄市議は、国民党が先月、高雄市長選の情勢逆転を目指し、情報当局を使った工作を開始したなどと指摘したが、国民党は強く否定した。
この問題で李建昌、周威佑の民進党の台北市議らは16日、馬英九総統が台北市長在任中の2001年9月、当時の台風16号(ナーリー)が襲来し災害対策センターが発足した当日、南部・屏東県長選の応援に出向いており職務怠慢に当たるとして台北地検に告発。同時に週明け18日から捜査に着手するよう要求した。