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ソニー、ハイエンドTVも台湾委託


ニュース 電子 作成日:2010年10月18日_記事番号:T00025968

ソニー、ハイエンドTVも台湾委託

 
 18日付電子時報によると、液晶テレビ生産の外部委託を進めるソニーは、台湾メーカーへの委託を来年初めてハイエンド機種まで拡大する。ソニーから昨年以降メキシコ、スロバキアの海外2工場を買収した鴻海科技集団(フォックスコン)が受注するとみられ、鴻海はソニーからの2011年受注が1,600万〜1,800万台となり、緯創資通(ウィストロン)の700万〜800万台を抜いて最多になる見通しだ。
 
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 鴻海と傘下の富士康国際(FHI)は、ソニーが来年外部委託する上位機種のうち、超薄型・縁なし液晶テレビを受注し、同製品は来年上半期に発売されるようだ。鴻海は、顧客や受注に関する情報は開示しないとしている。ソニーも、液晶テレビの外部委託拡大方針に変更はないが、個別の発注状況についてはコメントできないとしている。

 ソニーは来年、液晶テレビの外部委託生産比率を70〜80%へと、今年の40〜50%から一気に倍増させる方針のようだ。ただ、液晶テレビ販売目標は世界的な購買意欲の弱まりを受け、当初計画の4,000万台から3,600万台に下方修正する可能性もある。今年は外部委託拡大と、末端市場での低価格モデルの大規模展開により年間(10年4月〜11年3月)販売目標2,500万台を達成できる見込みで、2,600万台に届く可能性もある。

ウィストロン、ソニーのグーグルTV受注

 テレビ業界関係者によると、鴻海が海外2工場の買収効果で来年ソニー最大の発注先に浮上することで、傘下の液晶パネル大手、奇美電子(チーメイ・イノルックス)も恩恵を受け、ソニーのテレビ用パネルの40〜50%を供給する見通しだ。

 ウィストロンはソニーの委託先2番手に甘んじるものの、米グーグルが開発したテレビとインターネットを融合するプラットフォーム「グーグルテレビ(Google TV)」を採用した「ソニーインターネットテレビ」を受注し、今年比倍増を見込む11年出荷目標1,000万台のうち、ソニーからの受注が7割以上を占める見通しだ。

 ウィストロン同様、近年、テレビ受託生産にも注力する仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は、今年下半期にソニーの委託先に加わり、11年テレビ出荷目標1,000万台のうち、ソニーの日本販売機種が100万台以下を占めるとみられる。コンパルにとって、東芝(700万台)や三菱電機、三洋電機(各200万台)からの受注と比べると少量といえるが、今後ソニーのテレビ受注拡大や、ノートパソコンやモバイル機器などテレビ以外の受託生産も期待できる。

 一方、液晶テレビ受託生産で世界最大手、中国を本拠地とする冠捷科技(TPVテクノロジー)は、鴻海とソニーの関係強化で打撃を受け、ソニーからの11年受注が年間100万台以下に落ち込む見通しだ。

【表】