ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

「宋楚瑜効果は限定的」=李登輝元総統


ニュース 政治 作成日:2010年10月19日_記事番号:T00025972

「宋楚瑜効果は限定的」=李登輝元総統

 
 高雄市長選で宋楚瑜親民党主席が、民進党を離党して出馬した楊秋興・高雄県長への支持を表明したことで波紋が広がる中、李登輝元総統は18日、「効果は限定的だ」と発言した。また、「宋氏は台湾省長退任後、立候補した2回の総統選と台北市長選で全敗し、台北市では現職の郝龍斌市長にも負けている。彼が何を考えているのか想像するのは難しくない」と述べ、背景には国民党への嫉妬(しっと)があるとの見方を示した。19日付中国時報が報じた。
 
T000259721

黄昭順氏は記者会見を開き、「宋氏は応援する候補を間違えている」と訴えた(18日=中央社)  
 
 同紙も馬英九氏が国民党主席に就任した2005年以降、親民党の立法委員が相次いで国民党に復帰してしまい、06年の台北市長選で得票わずか5万3,000票で惨敗の憂き目に遭った怨恨が、宋氏に楊氏支持を表明させた動機との分析を提示した。

 宋氏には、国民党が直轄市長選で仮に惨敗すれば、金溥聡秘書長が退任を迫られ、馬主席にも問責の声が挙がることは必至で、国民党が権力構造の再編を迫られる中、泛藍(汎国民党)陣営の大物である自分に再起の機会が訪れるとの計算があるとの観測も出ている。

「棄黄保楊」の可能性消滅
 
 なお、国民党の選挙参謀によると、楊秋興氏の支持に回る場合の楊陣営との交換条件について先日金秘書長と話をしようとしたところ、金秘書長は「馬総統はそんなことをする性格ではない。黄昭順氏(国民党公認候補)を見捨てれば今回ばかりか10年後も高雄市政奪回は不可能になる」と強い拒否を示したという。

 国民党の選挙顧問を務める趙少康氏は、「黄氏を捨てて楊氏を支持する『棄黄保楊』の可能性はあったが、宋氏が出てきたことによって消えた」と指摘した。また、宋氏による楊氏支持について「第三勢力を組んで、次期総統選で南北で呼応する計画ではないか」との推測を示した。