交通部民用航空局(民航局)は19日、桃園空港第3ターミナル建設計画を、先月行政院に提出したことを明らかにした。現在の第2ターミナル西側に約670億台湾元(約1,760億円)を投じて建設し、2018年の完成・供用開始を予定しており、旅客処理能力は現在の年間延べ3,200万人から2倍近くに増加する。欧米とアジア太平洋地域を結ぶハブ空港を目指す方針だが、専門家は台湾高速鉄路(高鉄)の乗り入れなど外部との利便性向上が課題と提言している。20日付蘋果日報などが報じた。
民航局の計画によると、第3ターミナル計画には、ターミナルビル、出発ロビー、駐機場、誘導路(タクシーウェイ)、第1・第2ターミナルと結ぶ運輸システムなどの建設に600億元が投入され、さらに第2ターミナルとの間に設置される、オフィス、ホテル、ショッピングモールを備えた複合商業施設に70億元の費用が投じられる予定だ。行政院の認可が下りれば、同計画は来年から始動となり、14年までに全体計画、環境影響評価などの作業を終え、5年をかけて建設する。
衛星ターミナル・滑走路の新設も
第3ターミナルの総床面積は第1、第2ターミナルの合計と同程度の広さとする予定で、年間旅客処理能力はメインターミナルが延べ2,700万人。さらにその後、30年の完成をめどに第3滑走路の新設を計画しており、これに合わせてトランジット客が主に利用するサテライトターミナルも設置する予定だ。これを合わせると第3ターミナルの旅客処理能力は延べ4,300万人に達する。実現の際には、第1ターミナルを商用専用または格安航空会社専用とすることも検討している。
第3ターミナル建設計画は、11月1日に設立され、今後同空港の経営を担う「桃園国際機場公司」が推進役となるが、計画にかかる資金のうち、メイン、サテライトターミナル建設費873億元は、同社および民間企業からの投資となり、政府予算は全体の20%以下にとどめる考えだ。不足する部分については銀行融資、公債発行で賄うほか、民間業者へのBOT(建設、運営、譲渡)発注なども検討する。
桃園機場公司は来週28日、第3ターミナルの全体企画、環境影響評価、基本設計、工事監督などを担うコンサルティング業者の入札に向けた説明会実施を予定しており、香港国際空港の企画を担当した劉栄広伍振民建築師事務所などが興味を示している。
3年で世界トップ10入り目指す
桃園機場公司の初代董事長に就任が決まっている葉匡時交通部次長は19日、「3年内に世界ランキングでトップテン入りを果たせなければ責任を取る」と決意を表明した。葉次長によると、既に専門家による点検を受け、多くの助言を受け改善に努めているが、さらに年内にシンガポールや香港の空港経営チームに桃園空港を視察してもらい、意見を聞く予定だという。
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