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エイサーQ3利益最高に、集中化戦略が奏功


ニュース 電子 作成日:2010年10月21日_記事番号:T00026057

エイサーQ3利益最高に、集中化戦略が奏功

  
 宏碁(エイサー)が20日発表した第3四半期連結業績は、営業利益が52億8,000万台湾元(約140億円)で過去最高、営業利益率は3.16%(前期2.75%)で、2000年以降で最高水準となった。米アップルのタブレット型パソコン「iPad」発売で、低価格ノートPC(ネットブック)が米国市場で影響を受ける中、一般ノートPCの人気機種にターゲットを絞った集中化戦略が奏功した。21日付経済日報などが報じた。
 
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 エイサーの第3四半期連結売上高は、前期比11.3%増の1,672億元で、当初予想の10〜15%成長を達成した。同社は世界のPC大手で唯一、同期目標を下方修正しなかった。同期純利益は同19.5%増の42億9,000万元、1株当たりの利益(EPS)は1.61元だった。

 エイサーの主管は同日、同期営業利益率の大幅成長について、コスト管理および製品構成の調整が主因だと分析を示した。同期はノートPC出荷の比率を引き上げ、粗利益率が比較的低い一部ネットブックの出荷を抑えた。王振堂エイサー董事長も先日、同業他社の値下げ競争に加わらなかったため、市場シェアや売上高は多少の影響を受けたが、利益率向上につながったと語っていた。 

 エイサーの第3四半期業績好調について、市場関係者は要因を3点挙げた。1点目は、ネットブックが人気だった年初に設定した市場シェア拡大方針を、iPad登場を受けて、下半期には売上高・利益重視に切り替え、一般のノートPC中心にと製品構成を調整した戦略。2点目は、第3四半期初めにユーロが下落した際、売上構成比の50%以上を占める欧州市場で、利益率の低い製品の出荷に一時ブレーキをかけるなど、市場の動向に応じた柔軟な対応で利益を確保したこと。3点目は、方正科技(ファウンダー・テクノロジー・グループ)の「ファウンダー」ブランド使用開始日の10月1日を控え、効果が前倒しで現れたというものだ。

シェア順位に踊らされない

 エイサーは年内にヒューレット・パッカード(HP)を抜き、ノートPC世界市場シェアで首位に立つことが目標だ。一方で、2年前にはブームとなったネットブックがノートPCの一部と分類され、エイサーや華碩電脳(ASUS)の市場シェアの大幅引き上げに貢献したが、今回、タブレットPCはノートPC出荷統計に含まれない。こうした市場調査機関の分類にシェアが左右される状態の下、ランキングを重視するのでなく、原点に立ち返って、売上高、利益を追求するのは賢明だと経済日報は評価している。

【表】