ニュース 社会 作成日:2010年10月22日_記事番号:T00026059
近年、不動産投資業界で注目されているのが、女性客を対象とするビジネスチャンスだ。ターゲットは、1泊4,000台湾元以上の部屋に1週間以上連泊する女性たち。高級ホテルを利用するセレブかと思いきや、実は出産後の産褥期(さんじょくき)を過ごす普通のママたちだ。
台湾では女性は産褥期の約1カ月間、妊娠や分娩で消耗した母体をゆっくりと養生する習慣がある。これは「坐月子」と呼ばれ、母体の回復にとっては非常に重要とされている。産後の肥立ちの良し悪しが、その後の健康を大きく左右するからだ。
この大切な期間を過ごすのが「産後ケアセンター」。上げ膳据え膳で特別な産後食を手配し、看護師が生まれたての赤ちゃんの世話までしてくれるという、新米ママにとっては天国のようにありがたい場所である。
そこで、不動産投資家が目を付けたのが、交通や生活機能の便が良くプライバシーを守れるB級オフィス物件だ。これを大改装して高級な産後ケアセンターに仕立て上げるのである。
一般に、センターの宿泊費は1泊4,000元以上。高級なところでは1泊8000元以上と、デイリーマンションの1泊2,000〜3,000元よりもかなり高い。
しかし、女性1人が生涯に産む子供の数が平均1人にまで落ち込んでいる台湾では、「一生に一度のことだから」と高額な宿泊費をいとわない利用者も多い。人気の高いセンターは、半年前には予約で埋まってしまうほどだ。
センターの利用者は最低1週間は宿泊するので、投資家にとっては空室期間が短く安定した収入を得られるのが魅力だ。2年余り前台北市内にオープンした「弥月房産後護理之家」(松山区)を例に挙げると、改装費は約4,000万元。1泊6,000〜8,000元の計19室を運営し、月商は約400万元。家賃や人件費など250〜300万元のコストを差し引いても、月々の純利益は100万元に上るというから商売は上々だ。
同センターは来年4月には信義区に分店をオープンする。セレブママをターゲットに、面積約14坪、1泊9,000元以上のVIPルームを2室設ける計画だという。産後ケアセンターの高級化にますます拍車がかかりそうだ。
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