「今年世界で最強」ともいわれる台風13号(アジア名、メーギー)が南シナ海北部を北に向かってゆっくりと進む中、宜蘭県蘇澳鎮では21日、台風に北東からの季節風の影響も加わり、平地における1日の雨量としては観測史上最大となる939ミリメートルの降雨を記録した。
川のようになった宜蘭県蘇澳鎮の道路(21日=中央社)
なお、豪雨により台湾鉄路(台鉄)北回り線の蘇澳新駅〜永楽駅間で土砂崩れや線路の水没が起き、運行がストップしていたが、早朝5時過ぎに復旧した。
さらに宜蘭県と花蓮県を結ぶ幹線道路、蘇花公路(宜蘭県蘇澳~花蓮)でも数カ所で土砂崩れが発生し、車両32台、402人が身動きが取れなくなっていたが、22日午前に無事救出された。ただ、道路の復旧には1週間かかる見通しだ。
中央気象局は、既に集中豪雨が発生している宜蘭、台北地区山間部のほか、花蓮、基隆北海岸、台東および台湾最南端の恒春半島でも「豪雨特報」を発令し、山間部での土砂崩れや落石、土石流、洪水に注意するよう呼び掛けている。また同時に屏東、恒春半島、高雄、台南、澎湖、金門、嘉義、雲林、彰化、南投、台中地区を警戒区域として台風警報も発令している。
気象局の発表によると台風13号は、22日午後0時15分現在、澎湖島の南南西約270キロメートルの海上を北に向けて時速約9キロの速さで移動している。23日には広東省東部から福建省南部沿海部に上陸するとみられるが、台湾への影響は24日まで続きそうだ。