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ASUS、初の電子ブックリーダー発売


ニュース 電子 作成日:2010年10月22日_記事番号:T00026087

ASUS、初の電子ブックリーダー発売

 
 華碩電脳(ASUS)は21日、同社初の電子ブックリーダー「Eee Reader TZ−900」を発売した。同機種は台湾最大の仏教ボランティア団体、仏教慈済慈善事業基金会の会員向けにカスタマイズしたもので、一般ユーザー向けには11月末より3G(第3世代通信)対応の「Eee Reader DR−900」を売り出す。低価格ノートパソコン(ネットブック)、タブレット型PCと合わせて、ユーザーの異なる需要に対応したい考えだ。21日付電子時報などが報じた。
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ASUS「TZ−900」(同社提供)

 「TZ−900」は9インチ白黒ディスプレイを搭載、重さ370グラム。2ギガバイト(GB)のデータ保存が可能で、1日当たり500ページの小説を読む場合、2週間分に対応できる。通信規格にはWi−Fiを採用し、価格は1万台湾元(約2万6,400円)だ。「DR−900」は規格・ディスプレイサイズが「TZ−900」と同じで、デザインとカラーを若干変更し、価格は1万2,000元となる。

 両機種とも生産は佳世達科技(Qisda)が担当した。電子ブックリーダーは現段階で電子ペーパーがコストの約5割を占めており、ASUSはコントラスト比に優れた元太科技工業(EIH)の製品は見送って、比較的低価格の明基友達集団傘下、米シピックス・イメージング(中国語名、達意科技)の製品を採用した。なお「DR−900」の3Gモジュールはエリクソン製を使用した。

 「TZ−900」の規格は慈済側と何度も協議を重ねた上で決定した。慈済は台湾に少なくとも100万人の会員がおり、毎月、仏教の心構えを説いた印刷物を30万部印刷している。「これを電子ブックで配信できることで、環境保護に貢献でき、慈済の理念とも合致する」と施崇棠ASUS董事長は指摘した。既に初期発売分の5,000台は予約が完了し、慈済の会員向けに10万台の販売は堅いとみている。
  
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世界にも展開

 ASUSの電子ブックリーダーは当面台湾のみでの発売となるが、ロシア、ドイツなどでの販売を視野に入れており、市場の状況や現地のコンテンツサービス企業との提携進度に応じて、発売地域、スケジュールなどを決定する。 

 なおASUSは、当面カラー版と6インチディスプレイ機種は発売する計画はないとしている。6インチ機種市場は既に飽和状態のため、急ぐ必要はないとの判断からだ。

 台湾電子ブックリーダー市場では、既に中国・漢王科技(ハンボン・テクノロジー)が今月に鴻海科技集団(フォックスコン)の生産による「N620」を発売。明基電通(BenQ)も今月初旬に、2機種目で3GとWi−Fi両方の通信規格に対応する「BenQ nReader K61」を発表している。

【表】