ニュース 社会 作成日:2010年10月26日_記事番号:T00026117

台風13号(アジア名、メーギー)の集中豪雨による土砂崩れで、21日から蘇花公路(宜蘭県蘇澳~花蓮県を結ぶ幹線道路)が遮断されており、人々の生活や産業に大きな影響が出ている。特に花蓮一帯の観光業者は大打撃を受けており、「やっていけない」とため息が漏れている。
土砂崩れで完全に崩落した蘇花公路112〜116キロ地点(25日=中央社)
普段なら観光客でにぎわう花蓮市中華路の名産品店街は、閑古鳥が鳴いている。花蓮名産、麻糬(一口サイズの餡入り羽二重もち)の有名店「曽記麻糬」も、観光客が全く来ない状態だ。麻糬は作り立てが身上のため、当日売れ残ったものは破棄するしかなく、損失が膨らんでいる。
有名な南浜夜市(ナイトマーケット)で、いつも長い行列ができる焼きトウモロコシの屋台「林記焼番麦」も今はお客ゼロの状態。店長は「開店すれば経費がかかるから、お客が来なけりゃ赤字だよ」と頭を抱える。
ガソリンスタンド業者も泣くに泣けない。普段は県外からも含め1日100台以上が給油するが、現在は地元住民だけで1日に20台も来ればいい方だとか。商売上がったりのため、従来の24時間営業をやめて従業員は交代で無給休暇を取ることに。
観光ホテルは花蓮のみならず、宜蘭、台東でもキャンセル率が4割以上に達した。台東県鹿野郷の鹿鳴酒店によると、災害発生後3日間で33団体からキャンセルを受けたほか、167団体が日程変更するなど、約5,000人の宿泊客に影響が出ているという。
ただ、花蓮の美侖大飯店ではキャンセル率が4~5割だったが、23日に台湾鉄路(台鉄)が臨時列車の運行を開始してからは、稼働率が6割に回復。花蓮遠雄悦来大飯店でもキャンセル率は1割にとどまっている。同ホテルでは目下、利用済みの列車の切符を持参した客に宿泊料金3割引きを実施するなど、観光客の呼び戻しに懸命に取り組んでいることから、列車に切り替えて東部観光を実施するツアーも出ているようだ。
政府の発表によると、今月21日から24日までに台湾を訪れた中国人観光客は1日当たり3,700~4,500人で、今のところ特に目立った減少はない。しかし、今回の蘇花公路の土砂崩れで中国人観光客など25人が行方不明になっており、このニュースが中国でも大々的に報道されているため、業界では中国人観光客の訪台意欲に影響が出るとの懸念も声もある。
また、東部は中国人観光客の9割が訪れる観光地だが、今後は東部を避けて屏東県墾丁エリアなどへ流れ、当地の観光業界は「暗黒時代」を迎えるとの指摘も。業者からは政府の早急な対策を望む声が聞かれる。
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