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ソニーの液晶テレビ、AUOが受託か


ニュース 電子 作成日:2010年10月28日_記事番号:T00026204

ソニーの液晶テレビ、AUOが受託か

  
 28日付経済日報によると、液晶パネル大手の友達光電(AUO)が、ソニーから液晶テレビの組み立てを受託したもようだ。第4四半期中に量産を開始し、来年第1四半期の生産台数は50万台に達する見通しだ。報道が事実とすれば、AUOは液晶テレビの受託生産事業で初めて大手ブランドから受注を得て、パネルの重要な出荷先を新たに確保することになる。
  
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 AUOの彭双浪執行副総経理は27日、液晶テレビの受託生産事業について「世界5位以内に入るテレビブランドのうち、1〜2社から受注を獲得した」ことを明らかにした。ただ、ブランド名を明かすことは強く拒んだ。来年第1四半期から大規模な出荷を開始する見通しで、同社の液晶テレビ出荷台数は、今年予想される約100万台から一気に数倍へ成長すると見込まれる。

 証券会社によると現在、液晶テレビの世界5大ブランドはサムスン電子、LGエレクトロニクス、ソニー、シャープ、東芝の5社だが、AUOはこのうち液晶パネルの供給先であるソニーと密接な関係を築いているという。

 ソニーの液晶テレビ販売台数は年間約2,500万台で、来年は鴻海科技集団(フォックスコン)や緯創資通(ウィストロン)の受託生産メーカーへの委託比率が約8割に上ると報じられている。今回の報道が事実とすれば、ソニーの新たな委託先にAUOが加わることになる。

Q3は98%減益

 AUOが27日発表した第3四半期の連結決算によると、同期はパネル価格の下落や顧客が在庫調整を進めたことから売上高は前期比3.3%減の1,244億300万台湾元(約3,300億円)、粗利益率は同10.8ポイント低下し5%、純利益は2億2,700万元で同98%の大幅減となった。ただ、市場では、AUOは同期赤字に陥るとの見方も出ていたが踏みとどまった形だ。

 彭執行副総経理によると第3四半期、IT(情報技術)製品用パネルのオファー価格は26〜29%、テレビ用パネルでも約16%の下落を見せ、同社の生産ライン稼働率は85%に落ち込んだ。しかし製品構成の見直しが奏効し、1平方メートル当たりの平均販売価格(ASP)は前期比6.5%の低下にとどまった。

Q4悲観説を否定

 第4四半期の見通しについて同日付蘋果日報は「第3四半期の黒字を支えた液晶テレビ用パネル価格の下落が進むため、赤字は避け難い」と指摘している。しかし同社は「10月初めの中国・国慶節(建国記念日)連休シーズンでの販売が好調だったことから、現在液晶テレビの在庫水準は健全な状態を回復しており、第4四半期はそれほど悲観していない」とコメント。また彭執行副総経理も、「パネル価格の下落は第4四半期の末端市場価格に反映され、米国など川下顧客の大幅値下げにつながり、販売増に貢献する」と指摘し、同期の稼働率も85%を維持するとの見通しを示した。

 同社はまた、タッチパネル事業部の設置を発表、今後中小型およびIT製品への応用を中心に開発を進めると表明した。このほか、3D(3次元)映像対応や有機発光ダイオード(OLED)など新技術を使った製品の大規模出荷や、新事業の太陽光エネルギー分野での展開が、今後の同社の価値と業績の向上につながるとしている。

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