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蘇花公路崩落、難航する不明者捜索


ニュース 社会 作成日:2010年10月29日_記事番号:T00026205

蘇花公路崩落、難航する不明者捜索

 
 台湾東部の宜蘭沖で25日、漁師により発見された遺体の一部は、台風13号(アジア名、メーギー)の集中豪雨により土砂崩れが発生した蘇花公路(宜蘭県蘇澳~花蓮県の海岸線を走る幹線道路)で行方不明になっていた中国人ツアー客のものであることが、28日確認された。これにより、ツアー一行はバスごと海に転落した可能性が高まっている。

 被災が確実視されているのは、台湾人ドライバーとガイド2人を含む中国の創造旅行社のツアー一行21人。一行は21日花蓮でショッピングをした後、観光バスで蘇花公路を北上。台湾人ガイドが、悪天候で道路状況が非常に悪いことを会社に電話報告したのが昼の12時。12時6分には110番にも通報したが、そのわずか14分後にバスは行方不明となってしまった。

 25日にバスの失踪現場から約26キロ離れた沖合で発見された遺体の一部は、創造旅行社のツアーに参加していた広東省在住の女性会社員、龔艶さん(36)のものであることがDNA鑑定により28日に判明した。事件後、台湾入りしていた龔さんの夫は、妻の死亡が確定し、「娘には『お母さんを探しに台湾に行く』と言って出てきたが、帰って何と言えばいいか分からない」とぼうぜん。

 台湾の東沿岸部は流れの速い黒潮があり、その下には3,000メートル級の海溝がある。さらにベテラン漁師によると、この海域にはサメなどの大型魚群が多いため、遭難した遺体が見つかる確率は非常に低いとか。また宜蘭県潜水協会によると、宜蘭沖に転落したのであれば、7割の確率で北へ流され、北海道へ流れつく可能性さえあり、今後は亀山島や尖閣諸島の海域にも捜索範囲を拡大する必要があるという。

 捜索活動を見守るため、中国海協会の張勝林副秘書長も現地入りしているが、悪天候が続き作業は困難を極めている。張副秘書長は「もっと捜索規模を拡大すべきだ。人手や機材が必要なら、全面的に協力する」と述べている。交通部は大型掘削機3台を手配済みだが、重量が30トンあるため海上輸送となり現場に到着するのは3日後だという。