ニュース
石油・化学
作成日:2010年11月1日_記事番号:T00026247
台プラ第6ナフサ周辺、がん罹患率の高さ指摘
行政院環境保護署(環保署)は29日、台塑集団(台湾プラスチックグループ)第6ナフサ分解プラント(六軽)の運営体制全般に関する3日目の検討会合を開き、プラントがある雲林県麦寮郷では、住民のがん罹患(りかん)率が台湾全土平均より明らかに高いなどとする調査報告が学識者から示された。30日付中国時報などが伝えた。
中国医薬大健康リスク管理系の許恵悰助理教授によると、2004年から05年に第6ナフサが第4期拡張による操業を開始した当時、麦寮郷では15〜45歳の男性のがん罹患率が全土平均の1.7倍に達した。特に、消化器系がんと腹膜がんの罹患率が全土平均の2.73倍に上ることが分かった。このほか、住民のがんによる死亡年齢も全土平均より2〜3歳低く、63〜65歳だった。
許助理教授は「若年層のがんは外的環境の要素との関係が疑われる」としながらも、第6ナフサとの直接的な因果関係は指摘しなかった。
これについて、台プラは「第6ナフサ設置以前から、麦寮郷のがん罹患率は全土平均よりも高く、比率にも変化はない。しかも、肺がんに関しては、麦寮郷の罹患率は全土平均をはるかに下回っており、第6ナフサが発がん原因だとは即断できない」と反論した。