液晶パネル大手、友達光電(AUO)傘下の達虹科技(CANDO)は、年内にも中部科学工業園区(中科)で第4.5世代タッチパネル工場が着工する見通しだ。同社は現在、新竹の4.5世代工場で米アップルのタブレット型パソコン「iPad」用タッチセンサーを生産しており、中科の新工場は2代目iPad向けに供給を行うと観測されている。3日付経済日報などが報じた。
楊文科・中科管理局長は2日、CANDOが総投資額240億台湾元(約636億円)で、中科后里園区(台中県后里郷)にタッチパネル工場2基、生産ライン4本を設置すると語った。総生産能力はガラス基板投入枚数で8万枚。中科管理局は11月中にも建設認可を出せる見通しだという。これにより、年内に着工を迎えられそうだ。
楊局長によると、CANDOが中科に建設する4.5世代の第1工場は、投資額が70億元で初期段階の生産能力はガラス基板投入枚数で1万枚。その後、次世代工場を新たに1基設置する。新工場稼動後1年目の売上高は76億元を見込む。
ある業界関係者は、iPadの次世代機は現行機種より薄くなる場合、4.5世代工場でしか生産できず、5世代工場では技術的に不可能だと指摘。そのため、CANDOや、液晶パネルの瀚宇彩晶(ハンスター)傘下、和鑫光電(シンテック・フォトロニック)などiPadのサプライヤーとされるメーカーは皆、4.5世代を選択していると説明した。
シンテック、奇美電も4.5世代設置へ
シンテックは、南部科学工業園区(南科)に88億元を投じて4.5世代タッチパネル工場を設置する。既に工場棟が完成しており、来年下半期に量産に入る予定だ。
アップルのiPadおよびスマートフォン「iPhone」のタッチパネルは現在、宸鴻光電科技(TPKタッチ・ソリューションズ)と勝華科技(ウィンテック)が主要サプライヤーだが、AUOのみならず奇美電子(チーメイ・イノルックス)も食い込んできている。
iPhone向けタッチパネルを受注したとみられる奇美電はこのほど、南科でのタッチパネル工場建設に38億4,800万元を投じることを決めた。4.5世代、5世代カラーフィルター(CF)工場をタッチパネル生産に転換することで、タッチパネルの来年の出荷成長が期待されている。
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