ニュース 商業・サービス 作成日:2010年11月5日_記事番号:T00026377
鴻海科技集団(フォックスコン)と独系流通大手のメトロ(麦徳龍)は、合弁による大型3C(コンピュータ、通信、家電)量販店「万得城電器商場(メディア・マクルト)」の1号店を今月17日に上海市に出店する。来年末までに上海市内に9〜11店舗、2015年までに中国全土に100店舗を出店する計画だ。「世界の工場」から「世界の市場」へと変化する中国の状況を好機ととらえ、鴻海はサービス業での展開を加速する構えだ。5日付電子時報が報じた。
「万得城」に対する鴻海の出資比率は25%にすぎない。しかし、4日に行われた1号店の除幕式には郭台銘董事長が自ら出席。「メトロとの提携は、『工場』から『市場』へ向かう第一歩で、今後当グループはサービス業への転換を積極的に図っていく」との意気込みを示した。
豊富なiPhone供給が可能
鴻海はEMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手として3C製品および一部白物家電の生産を手掛ける強みを持ち、郭董事長も一貫して「サプライチェーンの優位性がサービス業への転換に有効」と強調している。業界関係者も、現在中国市場ではiPhone4が深刻な品不足となっているが、「万得城」では、鴻海に生産を委託するアップルの協力により、比較的豊富な量を確保できると指摘している。なお、鴻海は現在、メトロ傘下ブランド向けの受託生産も行っている。
鴻海がサービス業の展開強化のため、同業界での経験が豊富な人材として2年前に迎えた、元アップルアジア地区研究開発執行長の胡国輝・通路(販路)事業群董事長は、メトロとの提携について、「現段階の小売りだけにとどまらず、将来は店舗で得た消費者情報を生産に反映する、まったく新しいモデルを生み出したい」と語っている。
上級管理職の確保が課題
一方で業界関係者は、「万得城」が既存業者にとって脅威となるかどうかについて「規模では上回るが、実際の需要や人材不足を考えると今後どの程度勢力を拡大するかは観察が必要」としている。実際「万得城」は10月に開幕を予定していたが、これが遅れたのは好待遇を提示したにもかかわらず、条件に見合った能力を持つ上級管理職者を獲得できなかったことが要因とされる。
5チャネルで市場掌握目指す
なお、胡通路事業群董事長は、「一つの販路だけで市場全体を掌握することはできない。さまざまな業態を展開する必要がある」との考えで、「万得城」のほか、大型量販店内に入居する「敢創」(130店舗)、IT(情報技術)製品販売店、「賽博数碼広場(サイバーマート)」(34店舗)など同グループが中国で展開する小売5チャネルを通じ、勢力を拡大する意向を示した。
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