外資系生命保険会社に台湾撤退の動きが相次ぐ中、独アリアンツ生命保険(安聯人寿保険)とカナダ系のマニュライフ生命保険(宏利人寿保険)が台湾事業の売却先を模索しているとの観測が浮上している。8日付蘋果日報が伝えた。
背景には台湾の低金利環境に加え、保険会社に多額の責任準備金積み立てを強いることになる会計基準「財務会計準則公報第40号」が来年から導入されることがある。投資型保険商品は新会計基準で負債として計上することが義務付けられるため、投資型保険商品が主力のアリアンツとマニュライフにとっては特に財務上の負担が大きく、事業継続は困難と判断したようだ。
アリアンツは水面下で売却先と譲渡価格に関する交渉を進めているもようだ。一方、マニュライフは当初、米生保大手、ニューヨーク・ライフ・インシュアランス(ニューヨーク生命)のアジア事業買収に失敗し、事業拡大の道が断たれたため、売却先の模索に入った。
これについて、アリアンツからはコメントがなく、マニュライフは公式には撤退説を否定した。
両社のいずれかが実際に撤退すれば、外資系保険会社の撤退事例としては6例目となる。台湾の保険業界では、ING(安泰人寿保険)、メットライフ(大都会国際人寿)、プルデンシャル(保誠人寿保険)、エイゴン(全球人寿保険)、AIG(南山人寿保険)の5社が事業譲渡したか売却先を模索中だ。