5日に2年8カ月ぶりに1米ドル=30.1元を割り込むなど台湾元高が進む中、1米ドル20元台に突入すれば、来年、半導体各社の利益が5〜15%目減りするとの予測がドイツ銀行の周立中・半導体アナリストから示された。8日付蘋果日報などが報じた。
ドイツ銀行の予測によると、売上高のうち米ドル建てが60〜65%を占める台湾積体電路製造(TSMC)は、1米ドル=30元となれば来年の利益が4.9%減少、29.5元となれば8.9%減少する見通しだ。米ドル建てが同52〜57%を占める聯華電子(UMC)は、▽1米ドル=30元で10.3%減少▽29.5元で18.1%減少──の予測だ。
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)では、米ドル建てが45〜50%の日月光半導体(ASE)が▽7.3%減少▽13.2%減少──、力成科技(パワーテック・テクノロジー)は同45〜50%を占め、▽5.1%減少▽9.3%減少──と予測されている。矽品精密工業(SPIL)は米ドル建ての比率が25〜30%と比較的低いが、金相場高騰の影響を強く受け、▽14.4%減少▽26.1%減少──となる見通しだ。
「30元割れはない」=ASUS
ただ、パソコン大手ブランドの華碩電脳(ASUS)は、台湾元高はこれ以上進まず、1米ドル=30元割れの可能性は低いとの見方だ。また同社はユーロにリスクヘッジしているため、これまでの元高で為替差益が期待できるという。