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花とハイテクの競演、花博が開幕


ニュース 商業・サービス 作成日:2010年11月8日_記事番号:T00026407

花とハイテクの競演、花博が開幕

 
 「2010台北国際花卉(かき)博覧会(花博)」が6日開幕した。花博は台湾初の国際博覧会で、台湾の美しい花や植物の展示のほか、ハイテクを駆使した展示館を通じて園芸や環境保護の最新技術を紹介する。開幕最初の土日は雨まじりの天気で、来場者は計7万人とやや低調だったものの、会場を埋め尽くす色とりどりの花々を楽しんだ。主催者の台北市は、来年4月25日までの開催期間中、延べ800万人が来場し、168億台湾元(約452億円)の経済効果がもたらされると見込む。
 

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新生エリアの入り口に広がる「花海区」(6日=YSN)  
 
一番人気はハイテクの「夢想館」
 
 花博は、都市交通システム(MRT)淡水線・円山駅前の円山エリアを中心に、美術エリア、新生エリア、大佳河浜エリアの4会場から成り、総面積は91.8ヘクタール。各会場内に計14の展示館がある。
 

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 メイン会場である円山エリアでは、国際コンテストや展覧会の会場となる「争艶館」、世界で初めて回収ペットボトルを外壁に全面利用したグリーン建築の「流行館」が来場者を出迎える。美術エリアは、省エネ設計の半屋外ステージ「舞蝶館」で台湾先住民らのパフォーマンスや、浜松市が出展した日本庭園をはじめ世界22カ国・地域の庭園が楽しめる。新生エリアは、巨大温室の「未来館」に3万株以上の台湾の原生植物をはじめ世界各地の花や希少植物を集めた。基隆河沿いの大佳河浜エリアは、家族連れで楽しめる屋外公園だ。

 展示館で最も人気なのは新生エリアの「夢想館」だ。工業技術研究院(工研院)が「人と自然の共生の旅」をテーマに企画・設計した展示館で、観客は無線ICタグ(RFID)を内蔵した腕輪を付けて、4つの展示ゾーンを見学する。裸眼三次元(3D)ディスプレイの前に立ち、腕輪を動かして画面花を咲かせることができたり、また人の動きを感知して光る花形ロボットのショーなど、ハイテクを駆使した美しい花の世界が広がる。
 

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「夢想館」の天井では大きな花が開閉し、幻想的な雰囲気をかもし出す(6日=YSN)
 
自然との共生アピール
 
 円山エリアの「真相館」では、台湾の山地でみられる土石流被害を紹介する。昨年8月の台風8号(アジア名・モーラコット)で村全体が土石流に埋まった高雄県甲仙郷小林村の被害を題材とした17分間の3Dアニメを放映し、幅22メートル、高さ16メートルの巨大スクリーンで、自然の猛威を体感できる。

 同エリア内の日本式建物「名人館」は、台湾を代表する歌手、テレサ・テンさんをしのぶ展示館だ。テンさんが生前好んだバラをモチーフにし、最新センサー技術を使用した映像をはじめ、衣装や数々の思い出の品、映像コレクションの放映などがあり、ファンを楽しませてくれる。
 

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「名人館」の展示ディスプレイは、手で触れると映像が動き、テレサ・テンさんの足跡を振り返ることができる(6日=YSN)
 
 なお、「夢想館」、「真相館」、「名人館」の観覧には整理券が必要だ。毎日、開場時間の9時から展示館前で整理券の配布を行っている。

 台湾は亜熱帯と熱帯をまたぎ、大きな標高差を持つため多様な自然環境を育んでいる。花博は最先端のハイテクやエコ技術を通じて、自然の魅力と、人と自然の共生を訴え、世代を問わず楽しめる展示となっている。

トラブルも相次ぐ

 一方、会場内では開幕初日から運営上のトラブルが多数発生した。円山エリアでは開場直後、入場ゲートのセンサーが入場券を読み取らず、観客が足止めされた。また、試験開放期間から指摘されていた飲食エリアの座席不足も改善されず、植え込みの縁に腰掛けて食事をする人が大勢見られた。

 開幕日の夜は大佳河浜エリアと、市内西側で淡水河沿いの大稲埕埠頭(ふとう)で花火大会が開催されたが、大佳河浜エリアでは雨天の影響で煙が大量に発生して花火がほとんど見えなくなり、まれに見る失敗に終わった。
 
【表】