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コンビニが欲しい!全土25郷で悲痛な叫び


ニュース 社会 作成日:2010年11月9日_記事番号:T00026408

コンビニが欲しい!全土25郷で悲痛な叫び

 
 台湾でコンビニエンスストア(便利商店)第1号店がオープンしたのは1979年。以来、急速に増え続け、今や世界一、二を争うコンビニ密度を誇る。特に都市部では近距離に何軒も林立する状態で、サービスの多元化と相まって、市民の依存度はますます高まっている。

 ところが、そんな「コンビニ大国」台湾にも、コンビニが1店もないという「郷」(最小レベルの行政区画)が残る。宜蘭県大道郷や新竹県五峰郷、苗栗県西湖郷など計25郷で、都市部では歩いて行ける距離にあるのが当たり前のコンビニだが、これらの地域に住む人々にとってはぜいたくなことなのだ。

 山間部に位置する台東県海端郷は、コンビニだけでなく、郵便局や現金自動預払機(ATM)もない。都会で働く若者たちが長期休暇で帰省しても、不便な生活に耐えられず数日で帰ってしまうという。コンビニの存在は家族との団らんに勝るというわけだ。

 屏東県獅子郷や牡丹郷の役場には、「大規模な建設事業よりコンビニを!」と望む村民の悲痛な声が寄せられている。

 コンビニ業者によると、その地域の人口が5,000人を超えることが出店の最低条件。住宅地以外にも、観光地や交通の要所であることもプラス評価となるほか、物流コストにも考慮が必要だ。

 たとえば台東県の離島、蘭嶼郷。需要があることは明白だが、物流面でのコストが大きく、事業としては利益が見込めないらしい。

 これら辺境地では、古くからの雑貨屋がコンビニ代わり。もとは穀物やしょうゆなどの食品と日用品だけを販売していた店が、「昔ながらの商売じゃ食べていけない」と、朝食や軽食なども売るようになったケースもある。インターネット設備やカラオケボックスまで設置しているユニークな雑貨屋もあるそう
で、コンビニ以上の「便利商店」となっている。