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作成日:2010年11月10日_記事番号:T00026438
銀行送金が半年届かず、南仏遊学打ち切りに

ファッション雑誌の副編集長を務める李さん(35、女性)はロマンチックな雰囲気の南仏・プロバンスが大好き。今年3月、会社に1年間の休職を申請し、同地に飛び立った。
渡仏前、現地での生活費として、台新銀行と兆豊銀行から送金小切手をパリの郵便局に持つ口座宛に振り出した。金額は台新銀からが8,312ユーロ(約93万円)で、兆豊銀からは5,200ユーロ。しかし、兆豊銀の送金はフランス到着3日目に受け取ることができたのだが、台新銀のものは待てども待てども来なかった。台新銀には何度も問い合わせを行ったのだが、「手続きはしたものの、現地郵便局からの送金請求がない」との返事だった。
そして入金されないまま8月末には生活費が底を尽き、彼女は遊学生活を打ち切って台湾に帰らざるを得なかった。9月6日、送金小切手の取り消し手続きをするために台新銀に赴いたところ、あろうことか9月1日にフランスの口座に入金されていたことが判明した。
送金の取り消しを求める彼女に対し台新銀は、「実行された取引は取り消せない。フランスに行って受け取るように」との返事。李さんは「何を言っているの!」と怒り心頭になった。
台新銀で取引経過を調べたところ、中継銀行のシティバンクロンドン支店が、仏郵便局からの送金請求を受けたのは8月13日のことだと分かった。同行はそれに従って9月1日に送金したという。仏郵便局の手続きがなぜ半年も遅れたかは不明だ。台新銀は「当行の手続きはすべて銀行間の国際慣例にのっとって行われた」と落ち度はなかったと説明しつつ、「こうした例は過去にないので、李さんにできる限り協力したい」としている。
先進国の金融機関ではまさかのトラブルで、せめてあと1週間入金が早ければ遊学を予定通り続けられたのに、李さんは不運としか言いようがない。