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インフレ懸念、個人消費に影響も


ニュース その他製造 作成日:2010年11月10日_記事番号:T00026467

インフレ懸念、個人消費に影響も

 
 米連邦準備理事会(FRB)による追加の量的緩和政策発動によって、米ドル安が続くことで原油や食糧など基幹物資価格が高騰、世界的なインフレが発生するとの懸念が出る中、10日付中国時報によると、台湾では量販店で食用油が12月か来年1月に5〜10%値上げされるとの観測が出ているほか、コカ・コーラも来年の価格引き上げを示唆している。台湾の個人消費にも一定の影響が出るとみられる。
 
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 米連邦公開市場委員会(FOMC)が3日、FRBによる総額6,000億米ドルの長期国債の追加購入を発表して以降、国際原油価格、暖房用の石炭など燃料価格がそろって上昇した。今年は砂糖および綿花の国際相場が約2倍に上昇しており、既にインフレ圧力の高まりがうかがえる。

経済成長に影響も

 こうした状況に対し、行政院経済建設委員会(経建会)の胡仲英・副主任委員は「来年は物価上昇圧力が高まると予想される。インフレは経済成長に影響を及ぼす重要な要因となる」との見方を示した。

 なお台湾では、食用油と砂糖の値上がりが注目を集めており、うち食用油では18リットル入り業務用サラダ油価格が、大豆の国際相場上昇を受けて過去1カ月で50台湾元(約135円)上昇、12月にもさらなる値上げが実施される見通しだ。また、量販店の家庭用2リットル入り商品は現在180〜250元となっているが、今後少なくとも5%は値上がりするとみられ、その場合1瓶当たり9〜12.5元以上高くなる計算だ。

台糖「年内は値上げせず」

 砂糖の値上がりは、大手飲料メーカーのコストを圧迫しており、コカ・コーラ台湾支社の高文宏総経理は9日、「原料価格上昇が負担の限界に達すれば、来年値上げを行う可能性はある」と語った。

 ただ、砂糖の主要輸入業者である台湾糖業(台糖)は消費者の不安を抑えるため、「2キログラム入り以下の商品の小売価格は年内は引き上げない」としている。

 一方、食品大手、南僑化学工業の陳飛龍董事長は9日、原料のパームオイルの国際相場上昇を受け、製パン用油脂を12月に値上げすると表明した。10月中旬に続く値上げで、上げ幅は2回合わせて10〜20%とする予定だ。

 物価上昇機運の高まりを受け、財政部はきょう(10日)、行政院農業委員会(農委会)、経済部工業局など関連部署を集めて対策会議を開き、バター、砂糖、大豆など輸入原料の関税引き下げ措置などの実施について検討する。

中銀の為替介入、「インフレ促進も」

 なお中国時報は、米国の量的緩和策を受け、大量の投機資金(ホットマネー)が台湾元高を促している一方、中央銀行が阻止のため台湾元の供給量を増やした場合、物価上昇圧力がより高まると警告している。

【表】