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コンパル総経理、鴻海との競争に自信


ニュース 電子 作成日:2010年11月11日_記事番号:T00026497

コンパル総経理、鴻海との競争に自信

 
 ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の陳瑞聡総経理は10日、来年の受託価格引き上げに向け顧客と協議すると発言した。台湾元高、中国の人件費上昇、原材料価格上昇が背景にある。また、昨年からノートPC受託生産市場に参入した鴻海科技集団(フォックスコン)などEMS(電子機器受託生産サービス)メーカーから、来年は実力で受注を取り戻し、粗利益率が4%台を回復すると楽観見通しを示した。11日付蘋果日報などが報じた。
 

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 陳総経理は10日の安永創業家論壇(アーンスト・アンド・ヤングの創業者フォーラム)で、台湾元の対米ドルレート急上昇や、原材料価格の上昇、中国の最低賃金が来年1月にも再び引き上げられる見通しであることを挙げ、部品価格の上昇は避けられないと指摘。部品調達価格を引き上げざるを得ないため、受託価格に反映させる考えだ。

 また来年第1四半期は春節(旧正月)休暇で2月の稼働日数が減るため部品不足を招く恐れがあり、特に筐体(きょうたい)や線材の不足が懸念されるとして、前倒しでの発注による在庫積み増しを検討している。コンパルの同期ノートPC出荷予測は、前期比0〜5%減にとどまり、例年よりは良いと好感。通年出荷は今年比20%以上成長し、業界平均を上回ると見込むが、6,000万台を超えるかは不明と語った。なお、今年第4四半期のノートPC出荷は、第3四半期の1,170万台から5〜10%増との予測だ。
 

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EMSの弱さ露見
 
 EMS世界最大手の鴻海精密工業が昨年ノートPC受託生産に本格参入し、ノートPC受託大手は受注が大量に奪われる事態となった。しかし陳総経理は、顧客が新製品開発スピード、品質、発売後の返品率などを判断材料に、EMSへの発注を徐々に抑えていると指摘した。このため、EMSがノートPC市場でシェアを大幅に拡大する確率は当面低く、ノートPC受託大手の受注がこれ以上落ち込むことはないと強調した。

 コンパルの粗利益率は今年第3四半期に3.8%まで下がったが、陳総経理は、第4四半期には3.9〜4%まで改善し、来年は4%前後で安定すると指摘した。

重慶進出は検討中
 
 コンパルは中国・四川省成都市に新工場を設置し、来年下半期から量産に入る予定だが、主要顧客である宏碁(エイサー)はこのほど、重慶市への進出を発表したところだ。これについて陳総経理は、顧客の近くでサービスを提供するため、重慶市に組立ラインを設置することもあり得るが、目下検討段階だと語った。
 
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