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作成日:2010年11月12日_記事番号:T00026499
名医に「不倫の子」の認知迫る、DNA鑑定拒否も写真で認定
「有名医師との不倫関係で息子を生んだ」という女性が、認知を求め同医師を訴えた裁判で9日、認知もDNA鑑定も拒否していた医師を、この息子の父親と認める判決が下った。誰がどう見てもうり二つな容貌が決め手だった。
現在、林口長庚紀念医院に勤務する黄医師(58)は、台湾屈指の膵臓(すいぞう)外科医。26年前、胆結石を患った女性、謝さんの手術を担当したことがきっかけで親密となり、いわゆる「ダブル不倫」の関係を持った。その果てに謝さんは黄医師の子どもを出産。生まれた男児を「弟古」の愛称で呼び、不倫の子であることを隠して育てた。
謝さんの夫が、息子が自分に全く似ていないことから疑問を抱き、事実が露呈したのは弟古くんが5歳の時だった。夫婦は離婚という結末を迎えたが、前夫は弟古くんが18歳になるまで毎月2万台湾元の養育費を出し続けた。
黄医師は2004年、前夫が出した養育費の賠償として、謝さんに200万元の小切手を渡した。08年には黄医師の妻が18万元を渡し、「成人したのだから、もう援助はしない」と通告した。
謝さんは「父子関係を認め、息子に黄姓を名乗らせてほしい」と求めたが、黄医師は断固拒否だった。そこで謝さんは裁判所に訴訟を起こすことを決意した。
黄医師はプライバシー保護を理由にDNA鑑定を拒否したが、裁判所は黄医師の中学時代の写真が、弟古くんとそっくりであることを指摘。明らかに遺伝的特徴が認められるとして、2人の父子関係を認定する判決を下した。
これにより、現在、医大生の弟古くんは黄姓への改姓が可能となった。黄医
師の実子3人と同じ条件の相続権を得たことにもなる。
しかし、「父は傑出した医師だが、裏表のある人間。僕を息子と認めたことはなく、父親としての愛情を感じたこともない」と弟古くんの表情は晴れない。