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作成日:2010年11月15日_記事番号:T00026528
人気の珍味・マンボウ料理、ネット購入も可能に

熱帯や温帯の海に生息するマンボウは、扁平型で独特の体型がユニークな大型魚。大きなものは、全長3メートル、体重2トンにも成長する。台湾でも東部海域でマンボウが水揚げされることがあるが、食用としてはこれまで見向きもされなかった。しかし、近年では供給が需要に追いつかないほど人気となっているそうだ。
中でもマンボウの「龍腸」は、美食家たちの垂ぜんの的。これが何かご存じなら、あなたはかなりの食通だ。「龍腸」とはマンボウの「腸」のこと。昔はマンボウが網に掛かると、漁師は腸だけを取り出して食べ、残りの体は海へ捨てていたという。
マンボウの腸の食べ方は、熱湯に8〜10秒くぐらせてから、氷水の中に30秒ほど入れて食べる湯引きが最もポピュラー。好みの塩梅で醤油に付けて食べればおいしいとか。熱した鍋に香辛料を入れて香りを出し、強火で15秒ほど炒めても、甘くてコリコリした食感が楽しめるという。
実は、マンボウはもともと台湾では「翻車(車がひっくり返る、の意)魚」と呼ばれていた。体温を上げるため、海面に浮かんで日光浴をする習性があり、その姿がまるで車がひっくり返っているように見えるからだ。
マンボウが捕れる東海岸の花蓮では、02年からマンボウ祭りが開催されてきるが、「翻車魚」という名前は事故を連想させて縁起が悪いことから、新たな呼び名を一般公募。日本語の「マンボウ」からの借用語である「曼波魚」が最多得票を獲得し、いまではすっかりこの名前が定着した。
王鐙億・花蓮区漁会(漁業組合)総幹事によると、漁会ではマイナス20度で真空パックしたマンボウの腸の販売を行っており、クール便で宅配も可能だとか。わざわざ花蓮に足を運ばなくても、珍しい「龍腸」が食べられるというわけで、美食家にとっては興味深いことだろう。