有名ブロガーを会員とする非営利団体、台湾部落格協会(台湾ブログ協会、TBA)は16日、民進党台北市議の荘瑞雄氏や徐佳青氏らと合同で「台北民怨地図」(
http://tba.tw/map )と名付けられたユニークな地図を発表した。
TBAの「台北怒りマップ」。ラベルがぎっしり並ぶ(TBA・HPより)
これは、台北市に存在する問題を抱えた道路や施設、汚職事件に関係する地点などを、インターネットの地図上にマークしたもの。郝龍斌台北市長(国民党)への痛烈な批判にほかならず、今月27日に行われる市長選挙を見据えた一風変わった選挙戦術といえる。
TBAのブロガーが共同で作成したこの「怒りマップ」は、グーグルが提供する地図サービス「グーグルマップ」を利用。サイトで台北市の地図にアクセスすると、おびただしい数の「怨」「恨」「塞」「笑」「怕」「弊」「好呆」というラベルが各地に現れる。それぞれの文字をクリックすると、別ウインドウで過去に報道された関連ニュース映像が現れるしくみだ。
「弊」とマークされているのは不正や汚職などの問題で、例えば、新生高架道路辺りに表示されたラベルをクリックすると、同道路の補修工事をめぐる不正発注疑惑についてのニュース映像が出現する。
「怕」のマークは、猫空ロープウエーの支柱問題や、道路の陥没など安全上の問題が発生している場所で、「塞」は主として交通渋滞の多い場所といった具合だ。
同協会の潘建志理事長によると、この地図を開設した9月以降、ラベルの数は累計150個を超え、アクセス数も1日2万件以上に達しているとか。特にアクセスが多いのは、花博、新生高架路、忠孝西路のバス専用道、敦化南北路の自転車道の問題を指摘したラベルだという。
郝龍斌台北市長の選挙スローガンは、「台北起飛」(飛び立て台北)だが、潘理事長は「飛び立って空から地図を俯瞰すると、市政問題が一目瞭然だ」と手厳しい。