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アジア大会テコンドー、金メダル候補が不可解な失格


ニュース 社会 作成日:2010年11月18日_記事番号:T00026616

アジア大会テコンドー、金メダル候補が不可解な失格

 
 中国広州で開催中のアジア大会で、台湾の金メダル候補だったテコンドー49キログラム級の楊淑君選手が、不可解な判断で失格になった。同階級では中国の選手が優勝したため、「台湾選手の優勝を阻むための、主催者中国と韓国系フィリピン人審判の仕組んだ陰謀ではないか」との見方も出ている。
 
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悲痛な涙を流す楊選手を、コーチが抱きかかえて慰めた(18日=中央社)
 
 楊選手は1回戦でベトナムのブー・ティー・ハウ選手と対戦。実力差は明らかで瞬く間に9対0とリードを奪った。ところが第1ラウンドが残り12秒となったところで、突如審判から失格が言い渡され、試合は12対0でハウ選手の勝ちとなった。突然の事態に楊選手は動転し、マットに座り込んで涙を流すシーンが台湾のテレビで繰り返し放送された。

 楊選手の失格理由は「電子ソックスが大会規定に合わないため」。テコンドーでは足で相手の胴や頭を有効に攻撃できた際、電子ソックスと防具のセンサーが反応して得点を判定する。アジア大会組織委員会によると、楊選手の使った電子ソックスは今年7月にアジアテコンドー連盟に禁止されていた、薄いセンサーパッド2枚をソックスの表面に取り付けるタイプのもので、これを履くことによって感度を上げ、試合を有利にしようとしたと判断された。

 しかし、楊選手は試合前の検査で最新のセンサーパッド内蔵タイプの電子ソックスが感度が悪かったため、従来のものに交換して検査をパスしていたのだった。台湾のテコンドー代表団が旧型タイプが禁止になっていたことを知らなかった可能性があるが、検査をパスしていた以上、これを理由に失格とするのは不手際の感が否めない。

 楊選手は5位に終わった北京五輪後に引退をも考えていたが、両親の勧めもあってアジア大会での金メダルに賭けていた。それだけに不正判定に「とても受け入れられない。競技の公平性が今後も保たれないのであれば、もう試合には出たくない」と悲痛な表情だ。

 この問題をめぐっては、中国側の大会技術委員が記者会見で、通訳に対し台湾メディアからの質問を訳さないよう求め、台湾メディアが抗議のため集団で離席する一幕もあり、さらに後味の悪さが増した。国際社会で台湾を圧迫してきた中国、スポーツの国際大会で数々の不正疑惑が指摘されてきた韓国のイメージが下地にあることは否めず、広州アジア大会は今回の事件によって台湾で一挙に評判を落としてしまった。