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UMC、和艦合併計画が頓挫


ニュース 電子 作成日:2010年11月18日_記事番号:T00026643

UMC、和艦合併計画が頓挫

 
 ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)による、中国・江蘇省蘇州市の同業、和艦科技合併計画が頓挫する見通しとなった。台湾証券交易所が営業細則を変更したことで、和艦の業績が合併可能な基準を満たさなくなったためだ。UMCは「和艦合併の方針を変更することはあり得ない」との姿勢だが、打開策が見つかるかは不透明だ。18日付工商時報が報じた。
 
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 UMCは和艦の持ち株会社、英領バージン諸島「Infoshine Technology」の合併を通じ、和艦の全株式を取得する計画で、既に昨年、合併基準日を今年3月末に設定することで双方の株主総会で承認を得ていた。しかし、手続きが思うように進まなかったため、双方は契約を継続することを決めた上で、協議を続けていた。主管機関への申請が遅れた理由としてUMCは以前、「外国人が台湾上場企業の株主となることを政府が制限しているため」と説明していた。

証券交易所の規定、10月に改正

 今年10月12日に改正された台湾証券交易所の「上場企業の合併・買収」に関する細則によると、台湾の上場企業が新株発行により海外の企業を合併する場合、合併される企業の税引前利益が、過去3年間で2億5,000万台湾元(約6億8,000万円)、直近1年で1億2,000万元を超え、かつ累積損失を計上していないことが条件となる。

 しかし工商時報によると、和艦の過去3年間の利益は上記基準を満たしておらず、UMCが同社を合併することは不可能だという。これを受け、UMCおよび和艦の大株主は台湾証券交易所と協議し、「合併案は昨年の株主総会で承認を受けているため、旧規定が適用されるべきだ」との考えを伝えたが、証券交易所は「同計画はいかなる政府機関にも申請されておらず、旧規定を適用することはできない」と回答したという。なお、和艦株主は今月いっぱい証券交易所との協議を続ける構えとみられる。

 UMCは、代案として和艦株主に対し100%現金による買収計画を提示したとされる。この場合でも、外国人が台湾企業の株式を保有することに対する制限は回避できるが、証券交易所の最新規定には依然合致しない。さらに和艦株主もこの案を受け入れない決定を下したという。

合併失敗でも「逆に良いこと」

 合併計画が行き詰まりを見せていることに対し証券会社からは、「UMCにとって出費が少なくなり、逆に良いこと」との見方も出ている。

 UBS証券の程正樺・半導体産業アナリストは、「和艦の現在の月産能力は8インチウエハー換算で5万枚と、UMCの45万枚に対し規模が小さいため、合併しても大きな効果は期待できない」と指摘した。

【表】