広州アジア大会のテコンドー女子49キロ級の1回戦で、優勝候補の台湾代表、楊淑君選手が失格となった問題は、大会側の不合理な判定によるものだった可能性がさらに強まった。楊選手の失格理由について、世界テコンドー連盟(WTF)の韓国人事務総長、梁振錫(ヤン・ジンソク)氏は18日、「電子ソックスのかかとの部分にセンサーパッドを取り付けていたため」と説明したが、楊選手は試合前の審判の要求に従って取り外しており、試合の映像でも使用していなかったことは明白だ。19日付自由時報が報じた。
楊選手は「人生最悪の試合だった」と振り返る。今後については「安定した仕事を見つけられればロンドン五輪を目指したい」と語った(17日=中央社)
梁事務総長は「楊選手のかかとにいつセンサーパッドが取り付けられたかは分からないが、われわれには証拠がある」と強弁。この問題で謝罪を行う考えはないと強調した。また、既に使用禁止となっている旧型の電子ソックスを着用したことが失格理由となったと伝えられたことについては、「使用した電子ソックスそのものは問題なかった」と説明した。
なお、行政院体育委員会(体委会)によると、アジア大会の技術手帳にはテコンドーの電子防具について何ら具体的な規定が示されていないという。台湾選手団は、判定に強く抗議するため、関連資料をまとめて近く大会本部に提出する予定だ。