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石油・化学
作成日:2010年11月19日_記事番号:T00026662
ポリエチレン相場、急騰から一転急落
ポリエチレン(PE)およびこれを原料とする汎用樹脂のアジア価格は、中国が物価抑制措置を決めて以降、3カ月続いた高騰から一転下落、台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)、台湾聚合化学品(USI)、亜洲聚合(アジア・ポリマー)のPE生産大手3社の12月業績への影響が懸念される。19日付経済日報が伝えた。
関係者によると、9月から冬季の農業用シート向け需要が拡大した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)価格が、先週には1トン当たり1,445米ドルと過去2年で最高となった。これが低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)など汎用樹脂の価格にも影響し、高騰が続いていた。
しかし、中国政府が原材料への投機を防ぐ目的で、銀行に預金準備率の引き上げを指示するなどで物価抑制に着手して以降、価格は一転して下落した。
LLDPE価格は今週、45米ドル下落の1トン当たり1,400米ドル、HDPEも10米ドル下落し1,280米ドルとなった。LDPEは1,615米ドルと横ばいだが、取引量は大幅に減少している。
一方、PEメーカーは、来月中旬から川下メーカーが春節(旧正月)明けを見据えた原料確保に動くため、需要が回復し価格も上向くとの予測を示している。