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1人当たりGNP、来年2万ドル突破へ


ニュース その他分野 作成日:2010年11月19日_記事番号:T00026672

1人当たりGNP、来年2万ドル突破へ

 
 行政院主計処は18日、来年の1人当たり住民総生産(GNP)が2万332米ドルに達するとの予測を示した。2万米ドルを突破すれば史上初で、主計処は「所得水準上昇を意味し、新たな一里塚になる」と評価した。来年の域内総生産(GDP)成長率の予測値は4.51%で、今年の予測値9.98%からは半減となるものの、世界平均を上回る好調を保つ見通しだ。19日付工商時報などが報じた。
 
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 来年は台湾元の対米ドルレートが3.3%上昇する予測で、主計処では1人当たりGNPの上昇は元高の影響も大きいと説明している。1人当たりGNPは、約1万米ドルだった1992年から、19年かけて2倍に成長することになる。経済部の統計によると、昨年は1万6,969米ドルで、4万米ドル台だった米国(4万6,497米ドル)、ドイツ(4万1,186米ドル)、日本(4万803米ドル)や、3万米ドル台だったシンガポール(3万5,923米ドル)や香港(3万975米ドル)に差を付けられ、韓国(1万7,175米ドル)よりもやや下回っていた。
 
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来年「インフレ圧力なし」

 一方、来年の経済成長率予測は従来の4.64%から0.13ポイントの下方修正となった。蔡鴻坤・主計処第三局長は、比較対象となる今年の数値が高まったためと説明、その上で「来年の域内総生産(GDP)予測自体は2,000億台湾元(約5,500億円)以上に上方修正した」と強調した。石素梅・主計長は、来年は中程度の成長が期待でき、物価も安定、インフレ圧力はないとの見通しを示した。消費者物価指数(CPI)上昇率は1.85%の予測だ。

 ただ、台湾の経済成長は来年も輸出がけん引役となるため、世界経済の動向が不確定要素といえる。蔡主計処第三局長によると、GDPに占める輸出の割合は今年68.44%に上る。一方、台湾の主要輸出先の来年の経済成長率は、▽中国、8.8%(今年10.1%)▽米国、2.3%(同2.7%)▽欧州連合(EU)、1.6%(同1.8%)──と軒並み低下する見通しだ。
   
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 この数値の出典元である米調査会社、IHSグローバルインサイトの最新予測によると、世界全体の経済成長率は今年4.0%で、来年は3.3%に低下する見通しだ。主計処は、世界全体で今年第3四半期から成長が鈍化しており、さらに通貨や貿易のバランスが崩壊し、回復の道は険しいとの予測を示した。

今年の経済成長、中国超え10%も

 主計処は同日、台湾の今年第3四半期の経済成長率が9.80%(速報値)に達した発表した。8月当時の予測値6.90%を大きく上回った。第4四半期予測も4.70%と、従来予測の1.37%から上方修正を行った。通年のCPI上昇率は0.98%の予測だ。

 主計処は、下半期の輸出好調や、企業の投資、個人消費の予想を上回る伸びで、通年の経済成長率は10%を超える可能性もあると指摘した。証券会社からは、近年成長が著しい中国を上回るとの見方も出ており、10.28%を記録した89年以来で最高となる可能性は高い。

【表】