ＩＣ設計最大手、聯発科技（メディアテック）は、第４四半期の携帯電話用チップの出荷量が、値下げと中国の春節（旧正月）シーズン向け需要に支えられ、過去最高水準の単月2,000万個に回復すると予測されている。同社は第４四半期の売上高は、過去21カ月で最低となった10月を底として、反転する可能性が高いとみている。通期売上高は前期比15～20％減の225億～240億台湾元（約620億〜660億円）の予測だ。23日付工商時報が伝えた。
同社は10月に発売した第2.75世代（2.75Ｇ）のスマートフォン向けチップモジュール「MT6516」が、初めてグーグルのアンドロイドＯＳ（基本ソフト）2.1に対応する仕様で、出荷は少量ながら好評を得ているという。一方、３Ｇ携帯電話向け製品ではクアルコムの厚い壁が立ちはだかり、２Ｇ製品では晨星半導体（Ｍスター・セミコンダクター）などライバル会社に押され気味だ。
同社は中国携帯電話市場のシェア確保のため、第３四半期から価格を大幅に引き下げているが、値下げ競争は来年第１四半期にさらに激化しそうだ。これに備え、最近ファウンドリーやパッケージング・テスティング（封止・検査）などの取引先に対し、来年価格の最高10％に上る引き下げを求めているとの観測も浮上している。
