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作成日:2010年11月25日_記事番号:T00026767
紙幣20万元分が細切れに、ジグソーパズルで取り戻せ
うっかり紙幣を破ってしまった。そんな場合は破れた紙幣をつなぎ合わせて銀行の窓口に持っていけば、残っている面積に応じて新しいお札と引き換えてもらえることをご存じの方も多いはず。ところが、台北県樹林市でプラスチック工場を営む林さんは大慌て。先週、なんと銀行から借りた千台湾元札200枚、20万元分を機械にかけてしまったからだ。
台湾では、紙幣の面積の4分の3以上残っていれば全額、2分の1以上で半額と交換できるが、半分以上が失われた場合、その紙幣は単なる紙きれと化す。
細切れになった大量の紙幣を前にぼうぜんとする林さんを見て、多くの近隣住民が助っ人に駆け付け、みんなで破れた紙幣をつなぎ合わせることに。中にはジグソーパズル名人もいて、1分間もかからず千元札1枚の約半分を完成させ、さすがというところを見せつけた。しかし、残り半分がどうしても見つからず、「破片があまりに小さくて数も多いので、合うピースを探し出すのがとても大変」と泣き言を言う始末だった。
この調子では20万元も水の泡と思われたが、救世主が現れた。ト醒哲立法委員(民進党、トはさんずいに余)の協力を得て、林さんが法務部調査局に破損紙幣の山を送ると、たった数日で50枚もの復元に成功したのだ。
見事な腕前を披露したのは劉蕙芬・調査局鑑識科学調査官。彼女によると、コツは千元札の中央にある「中華民国」の文字を探し出すこと。既に「国」の文字がある部分を186枚見付け出し、ここを中心に周辺を固めていく作戦だ。「破片が小さいため難易度は高いが、残業すれば1週間以内に完成させられる」とプロの自信もチラリ。
聞くところによると、破損紙幣は既に9割方、鑑定を通ったとか。林さんは「みんなに助けてもらって感謝している。救えるだけ救えればそれでいい」と言うが、内心ほっとしたに違いない。