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作成日:2010年11月26日_記事番号:T00026798
「全身宝の山」、養ダチョウ業に高い注目
いま台湾では、「最大の鳥」ダチョウの経済価値に注目が集まっている。ダチョウは繁殖力が強く、肉や皮など全身くまなく利用できるとあって、高利潤が見込めるからだ。
屏東県塩埔郷在住の楊明謀さんは、もともと機械部品工場を経営していたが、政府がダチョウの輸入・飼育を奨励するようになったのをきっかけに、12年前から実家の農地を利用して、この大型鳥の飼育を始めた。目下150頭のダチョウを飼育する楊さんの農場は今年、台湾初の「ダチョウ観光農場」として認可された。
「よく食べ、よく産み、よく育つ」とは楊さんのダチョウ評だ。ダチョウは平均してオス1頭にメス3頭という「一夫多妻制」で、メスは1年に約30個の卵を産む。楊さんの農場では、年間約500頭が繁殖し、飼育用や食肉用として利用されている。ちなみに、卵からかえったばかりのダチョウのひなは1頭3,000台湾元。約1年半で100キログラムを超える成鳥となり、肉は1キロ当たり約300〜750元とよい値がつく。
ダチョウの主食は牧草だが、自分の糞も食べるため、環境汚染の心配もない。また、抵抗力が強いため、ホルモンや抗生物質などを加えなくてもよいことから、薬物残留の心配もない。非常にエコな存在だ。
肉は赤身が多く、脂がほとんどないことから健康食品としても注目されている。特に欧米では牛肉や豚肉にとって代わる存在になりつつあるとか。
また柔らかく通気性が良いダチョウの皮は、バッグやコート、靴などの高級皮革製品に、皮に含まれる豊富なコラーゲンは化粧品の材料に使われている。
羽毛は装飾品として使われるほか、静電気を帯びないことから、OA機器などのダスターとしても活躍。脂肪は多種類の不飽和脂肪酸やビタミンに富んでおり、石けんやクリームも作られる。
楊さんが絶賛するとおり、ダチョウはまさに「全身が宝」。注目度でも「最大の鳥」であること間違いなしだ。