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直轄市長選、与野党痛み分け


ニュース 政治 作成日:2010年11月28日_記事番号:T00026835

直轄市長選、与野党痛み分け

 
 27日行われた5直轄市長選は、与党国民党が台北市、新北市(現台北県)、台中市の3市で勝利、野党民進党は高雄市、台南市の2市で勝利し、ともに現状維持となった。国民党が現有3市を維持したことで、馬英九政権は中間評価で合格点を得た形だ。一方、総得票数は民進党377万2,372票(49.87%)、国民党336万9,052票(44.54%)で、民進党が40万票以上上回った。民進党が得票率で国民党に勝ったのは2004年の立法委員選以来6年ぶりで、同党は再来年の総統選に向けて手応えをつかんだ。全体の投票率は71.71%だった。
 
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北部・中部の3市では勝てなかったものの、民進党は総得票数で国民党を上回り党勢回復を果たした。新北市長選を戦った蔡英文主席(中)は「今回は成功しなかったが、いつか必ず成功する」と力強く語った(27日=中央社)

 台北市は国民党現職の郝龍斌候補(58)が79万7,865票(55.65%)を獲得し、民進党元主席の蘇貞昌候補(63)の62万8,129票(43.81%)を約17万票の大差で破った。郝候補は新生高架道路改修工事をめぐる市幹部の汚職事件や、台北国際花卉(かき)博覧会(花博)での高額調達問題で逆風にさらされたが、投票日前日に連戦国民党名誉主席の長男、連勝文氏が選挙運動中に銃撃を受けて重傷を負う事件が発生し、これにより同情票が多数流れたと観測されている。投票率は70.65%だった。

 新北市は行政院副院長を辞任して立候補した国民党、朱立倫候補(49)が111万5,536票(52.61%)を獲得して、民進党女性主席の蔡英文候補(54)の100万4,900票(47.39%)を退けた。蔡氏は結果を「栄誉ある敗戦」と表現し、続投の意志を表明。蘇貞昌氏が台北市で大敗したため、蔡氏が同党の総統選候補となる可能性が高まった。投票率は71.25%。

 台中市は国民党現職の胡志強候補(62)が73万284票(51.12%)で、民進党前秘書長の蘇嘉全候補(54)の69万8,358票(48.88%)に勝利。胡氏は事前に有利と伝えられていたが、予想外の接戦となった。投票率は73.15%に上った。
 
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南部2市は民進党圧勝

 台南市は民進党新人の頼清徳候補(51)が61万9,897票、60.41%を獲得、国民党の郭添財候補(48)の40万6,196票、39.59%を破った。頼氏には民進党次世代リーダーとしての期待がかけられている。投票率は71.01%。

 民進党現職の陳菊候補(60)に、民進党を離党した高雄県長・楊秋興候補(54)と、国民党立法委員の黄昭順候補(57)が挑む構図となった高雄市は、陳氏が82万1,089票(52.8%)を獲得し、楊氏(41万4,950票、26.68%)、黄氏(31万9,171票、20.52%)を圧倒。対抗馬2候補の間では、当選する可能性の高い候補に票を集中させる「棄保」が起きなかった上、2人の得票を合わせても、陳氏の票には届かなかった。投票率は72.52%だった。

国民党秘書長、「結果は警告」

 選挙結果について国民党の金溥聡秘書長は、「総得票数で負けたことは警告と考えなければならない」とコメントした。
 
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【表・図】