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TSMC董事長、来年Q1も楽観


ニュース 電子 作成日:2010年12月2日_記事番号:T00026950

TSMC董事長、来年Q1も楽観

 
 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は1日、オフシーズンに当たる来年第1四半期の売上高は前期比減少幅が5%以下にとどまり、例年の10%以上と比べて落ち込みが軽微で、第2四半期には好転すると楽観的な予測を示した。ファウンドリー業界全体の通年の成長率は14%と見込む。2日付工商時報などが報じた。
 

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張董事長(左2)は1日、「2011世界経済大予言フォーラム」でニューヨーク大学ルービニ教授(右2)らとの座談会に参加した(1日=中央社)  

携帯・タブレットPC需要が後押し
 
 TSMCの楽観見通しに関し、花旗環球証券(シティグループ・グローバル・マーケッツ)の徐振志・半導体アナリストは、来年第1四半期の前半にスマートフォン、タブレット型パソコン、コンシューマ向け電子製品の需要が強まるため、それに向け年末から来年第1四半期にかけてグラフィックチップ(GPU)の需要が好転し、半導体景気が勢いを増すとの予測を示した。

 さらに、価格競争を繰り広げるエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が、このほどTSMCに対し40ナノメートル製造プロセス製品を大量発注したことも好材料だと指摘した。

Q1売上高、来年が過去最高か
 
 証券会社によるとTSMCの来年第1四半期売上高は、前年同期比17.3%増の1,090億〜1,110億台湾元(約3,020億〜3,080億円)が見込め、同期としての過去最高となる見通しだ。ファウンドリー業界全体が来年14%成長するとすれば、TSMCの通年売上高は前年比18%以上増の4,900億〜5,000億元が見込め、張董事長が以前示した「10%以上の成長」を上回ることになる。

 張董事長は、今年TSMCは売上高、利益ともに過去最高になるとみており、証券会社の予測によると通年売上高は前年比41%増の4,180億元に達する。
 

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ブランド価値、ソニー超えも
 
 張董事長は同日、3年前にコンサルティグ会社に「TSMC」ブランドの価値の試算を依頼したことがあり、今後5〜10年後に100億米ドル以上に成長すると評価されたことを明らかにした。世界10位入りを果たして、ソニーを追い抜く規模だ。

 ただ張董事長は、ハイテク業界で企業ブランドの重要性は20〜30年前より薄れていると指摘。企業対企業(B2B)取引の同社の場合、広告に大金を費やすよりも、顧客がブランドを知らずとも取引を求め、その良さを体感してくれる方が大切だとの見解を述べた。
 
【図】