ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

タッチパネル人材、TPKなどが争奪戦


ニュース 電子 作成日:2010年12月6日_記事番号:T00027007

タッチパネル人材、TPKなどが争奪戦

 
 米アップルのiPhoneに静電容量方式タッチパネルを供給する台湾系、宸鴻光電科技(TPKタッチ・ソリューションズ)が、生産拡大に伴い、大規模な高級人材採用計画「翔英計画」を間もなく始動させる。勝華科技(ウィンテック)、洋華光電(ヤング・ファスト・オプトエレクトロニクス)、介面光電(Jタッチ)など台湾各社でも、生産能力拡張に向けて人材需要が高まっており、業界で人材争奪戦が白熱化しそうだ。6日付経済日報などが報じた。
 
T000270071

 
TPK設備投資、来年は今年以上
 
 TPKは5日、「来年の設備投資額は、少なくとも今年の3億5,000万米ドルは維持する」との見通しを示した。同社は現在、中国福建省アモイ市の火炬高技術産業開発区、集美区、海滄保税港区に工場を構えるが、2年以内に生産能力不足に陥ることが予想されるため、拡張が必須となっている。経済日報によると同社はアモイ市翔安区に第4工場を設置する計画とされ、これに合わせた人材の確保が急務になっているという。

 なお同社は以前、今後3年間で15億台湾元(約41億円)を投じ、台湾に研究開発(R&D)センターを設置すると表明している。既存のアモイのR&Dセンターも存続させる方針で、同社が現在抱えるR&D人材500~600人、従業員総数約3万人はさらなる拡大が見込まれる。なお「翔英計画」では、R&D、品質管理、営業などマネジャークラス以上約100人を集める計画だが、台湾の新R&Dセンターで編成されるR&Dチームの人材は含まれていない。

サムスン・ノキアも開拓
 
 業界関係者によると、同社の今年1~9月の累計売上高のうち、アップルが70%、エイサーが11%を占めるとされるが、収入源を分散させるため同社はサムスン電子やノキアなど携帯電話大手ブランドからの受注獲得にも取り組んでいるという。

 TPKは10月の売上高が85億5,800万元と過去最高を更新したが、11月もさらなる増収が予測され、12月は若干下げるものの、第4四半期通期では前期比50%増となる可能性もあるという。

洋華も台湾で1千人採用か
 
 タッチパネル業界ではこのほか、洋華光電も台湾で1,000人規模の採用を計画しているとされるほか、Jタッチも既に第3四半期から人手不足に直面しているとみられ、人材確保に有利なようにと桃園県中レキ(つちへんに歴)工場付近に従業員用宿舎を設置したもようだ。

 経済日報は、タッチパネル業界では生産設備、製造、良品率が競争の鍵を握ると指摘。特に良品率に関しては、これが悪ければ生産規模が大きくなればなるほど損失も大きくなるため、経験豊富な人材をいかに確保できるかが今後の成長を左右するとしている。

【表】